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「シングルサインオン」のIDaaS市場で国内圧倒的シェアを誇るHENNGE。SaaS企業ながら成長と利益を創出を両立している希有な企業HENNGEの事業内容と収益構造、主要KPI及び成長ドライバー、成長戦略と課題、市場からの評価について解説。

SaaS企業といえば売上成長至上主義で赤字上場、上場後も赤字、という企業が多い印象をお持ちの方も多いかと思います。
米国でコロナに端を発した大規模な金融緩和が終わり、金融引き締めに入った現在の株式市場では利益やフリーキャッシュフローが重視され、株式市場のみならず未上場のスタートアップ業界でも赤字SaaS企業は非常に評価がされにくい環境になっています。

そんな中、上場前からしっかりと利益を出し続けている数少ないSaaS企業の一つがHENNGEです。

HENNGEという企業を知らない方もおられるかもしれませんが、HENNGEはなんと1996年創業、2022年現在で創業26年という、非常に歴史が長い企業となります。ちなみに楽天が1997年創業、ライブドア前身のオンザエッジも1997年創業、サイバーエージェントが1998年創業となっており、インターネット黎明期に創業されたことがわかります。

ちなみに、3人の創業者が現在も社長、副社長(小椋社長、宮本副社長、永留副社長)として経営を行っており、株式も創業者3人で49%を保有している非常に珍しい企業となっています。

今日は、これほど堅実に経営をしてきているHENNGEについてその事業内容と利益を出し続けられる収益構造についてまず解説します。
次にHENNGEの事業KPIと成長ドライバーを確認し、成長戦略とHENNGEの抱える課題について考えます。
最後にHENNGEの現在のバリュエーションと株価についての考察をしたいと思います。

HENNGEの事業とは

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