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偈頌:呼吸の選択

穏やかな夜と明るい朝

静寂は自分の心で決める

過去と未来は考えない

呼吸だけ聞いてみよう


次の日が憂鬱になってしまうということは、現代人にはよくあることなのかもしれません。悲しいことですが、明日のことを思い出して夜がしんどくなったり、今日これから起こることを予想して朝しんどくなってしまったり。正直に言えば、こんなに人生の貴重な時間を粗末にしてしまうのは、せっかく生まれてきたこと、せっかく毎瞬毎瞬与えられているいのちへの敬意がどこかへ行ってしまいます。虚しいことです。だからこそ、時間を決めて、特に憂鬱になってしまうようなときこそ、過去や未来のことに意識が向かう気持ちを、その集中力を、呼吸に集中することに充ててみるのです。すぐにできなくていいし、失敗しても構わないのです。何度でも意識が呼吸から離れたら深呼吸して、もう一度呼吸に向かえばいいのです。1分でも難しいのです。5分できれば相当上出来ではないでしょうか?自分に絶えず与えられている贈り物に気づくこと。簡単なことのように見えて難しく感じるけど、おそらく慣れてしまえば難しくないはずなんです。この世の中の仕組みは過去と未来を絶えず押し付けてきます。そのような世界に生きているから、今を生きることを忘れていくだけで。今を忘れないように生きるのは、現代に生活する我々には一つの技術でしょう。でも、今を忘れずに暮らすというのは、本来、生きる上で最も大切なことではないかと思います。だから選択しましょう。僕も絶えず選択を迫られたとき、今を選択することを忘れないようにと自分に言い聞かせます。たとえ外側で嵐が吹きあれていて荒んでいて、大変で、心が壊れそうなときでも。





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