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毎日の詩、抜粋2024年2月

2024.2.4
古い日々の幕開け
扉からは内側から叩く声
まだ何も始まっていなくても
すでに始まりは不穏だ
この世界はもうすでに音を立てて壊れている
我々もそれに倣って壊されている
けど
まだ命は尽きない
だから一輪の花に水をやろう

2024.2.7
口いっぱいに含んだ水を
思いっきり吐き出す
笑いが止まらないその光景
君も同じことを真似てふざけ合っている
この若々しき日々はいつまでも続かないから
一生記憶に焼き付けてほしいと
私は2人を見て思うのだよ

2024.2.10
戦わずして勝つために知恵を使う
人々は助け舟を出す
因果は必ず巡る
だからあらゆる幸不幸を迎え入れよう
そして忘れぬ水を注ぎ続けよう
言葉が言葉を失い枯れる日にも
指先がその意味を示しつづけるように

2024.2.13
悪が取り憑いているこの頭部に
だから白い魔法をかけて追い払おう
この暗がりに浮かぶ小さな花びらは
すでにしわしわだ
腐卵臭のするこの場にふさわしい
言葉をあげよう
立ち去れ、この悪魔よ
この手が腐る前に

2024.2.16
強さ、
それはときどき絶対に必要なものとして
その使用を迫られるものだ
この身体や頭、心ではない、
ただ魂の導きに向き合い、信頼すること
邪気は必ず訪れ
私の現実を濁らせてくるもの
そこを救うのは我が魂のみ

2024.2.17
崩壊に目を向けるのか
再生に目を向けるのか
我々は選択を迫られている
何万人もの命が奪われる世界の横で
崩壊の横で、
数多の犠牲者の横で、
残された生命を燃やして
生きつづける知恵は善だと信じようと
自らを鼓舞する

2024.2.19
身体が重たい鉛を背負いながら
必死に生活と格闘している
目に見える色彩は
それでもなお精細を失わないことが
生きているということ
魂を磨け、そうすれば
自ずから身体は
この苦しみを超える力を持つのだから
そう信じて力を緩める

2024.2.25
“優しい歌”を思い出し、
人々の救いについて考える瞬間
「誰かが救いの手を
君に差し出してる
だけど今はそれに気づけずにいるんだろう」
そして僕はどこまでも手を差し出し
あなたの向けるまなざしを
しっかりと返すだろう
生命はいつだって祝福されることを
求めているのだと

2024.2.27
階段を一つ一つ丁寧に登っていく
景色が徐々に変わっていくことと
精神が上昇していくことの
一致を感じながら、
聖域は静かに立ち現れる
儚さを象徴する世界の有限性に
はっきりと浮かぶ美は、
花が咲きやがて散る
一瞬の感情

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