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毎日の詩、抜粋2024年1月


2024.1.2

切なさが
胸いっぱいにふくらんでいくような1日は
またしても日常を思い起こさせるように
何度も迫ってくるとして
“毎日”が死を想うから
ずっと続く生命は
いつのまにか有限をはっきりと感じるように
そんな一日も鼓動を打つのだから


2024.1.6

様々なものが押し寄せてくることは
防ぐことができること
だからこそ人は納得がいかないことを騒ぐ
そして
その背後には不条理に切り刻まれる世界が
横たわっていて、
そのなかで揺らぎつづける生命は
いつも挟まれ苦しむのだ


2024.1.7

笑顔が私に語りかけてくるのは
一つの愛だとして
ならば
私が返すものも笑顔でありたいと願うのが
ずっと生きてきたもの、
時空を超えて
望んだ再会を得たものの定め、なのか
忘れずにいられたことを
懐かしむのは

2024.1.12

昔をたどる道
この地を見れば
ずっと前の出来事を思い出す
現在の風景に過去の記憶が
うっすらと残像として
そこには数多の死者がいる、
つまり生者が“いた”
あらゆる良き感情も
悪しき感情も
全ては時間に流されて
ただ
その場だけ、の

2024.1.13
鳴り響く音と大きな声は
人々を不安にさせ恐怖に陥れる
だが
この喧騒のなかでも
心を穢されることなく
坐すものがいる
世界の混乱は外で起きている
内側まで侵されなくてもよいと
その佇まいが静かに教える

2024.1.20
毎日が閃光のようにただ光る
自分の内側に深く広がる
まだ入りもしなかった暗闇に
一瞬だけの光が走る
それは
さらに続く内部を知ることのできるほどの
力はない、
ただその暗闇は
どのようになっているのかと
知りたくなるための
渇望を起こす

2024.1.24
忘れられないから思い出す、頻繁に
「それでもいいけども、、、」
と呟かれるだろう
直接目の前にいるときでも
目を閉じても
ここには残っているだろう
遠い遠い知らない過去すらも
そんなことが幸せだと気づくのは
私の人生の器

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