マスタードと甘味、厳格な菜食寺院料理が入り交じるオディシャ料理とは。【東京マサラ部活動レポート】
どうも、カレーシェアハウス【東京マサラ部室】を拠点に活動し、インド亜大陸料理の情報を発信し続け日本にインドを作り上げることを企む秘密結社、東京マサラ部です。怪しいものではありません。
東京マサラ部では活動において毎月のテーマを決めながらインド亜大陸料理を作り、動かない旅を続けています。旅の模様はこちらのマガジンにまとめています。
主な活動として、住民が中心となりつつオンラインでゼミメンバーを集めLINEグループを作っています。
興味のある方を巻き込んでともにリサーチをし、有識者にヒアリングをしつつレシピを共有しながら実際に料理を作ってみる、ということを毎月バカみたいにずっとやっています。(興味ある方はTwitterまでDMください)
今月は「オディシャ料理」がテーマとなり、約20名の方が参加してくださっています。ゼミと言っても独学するためのモチベーションアップや情報交換が主な目的です。こうしてともにカレーの世界を旅してくれる仲間の存在はありがたいなと思います。
実際にオディシャゼミで使用したスライドを、部分的に補足しながら解説を残しておきます。興味がある方はいつでも仲間に入れますので東京マサラ部室のTwitterまでDMでご連絡ください。
オリッサ?オディシャ?
オリッサ州はインドの東側、ベンガルに面しています。ちょうど西ベンガル州とアーンドラプラデッシュ州に挟まれた州。
以前はOrissaという綴りだったが、2011年頃にOdisha に正式に変更。なので正式にはオディシャodishaとなる。ちなみに発音はオリッサのまま。
州都はブバネーシュワル、公用語はオリヤー語。オリヤー語は丸くて可愛い文字なのだが、こういう丸いタイプの文字は葉っぱに文字を書いていたときの名残で、歴史のある文字だという。
由緒正しいお寺もあり、その料理はベンガル料理の源流にもなっているオディシャは、インドでもかなり歴史の古い土地なのだ。
オディシャ料理の5大特徴
オディシャ料理について突然テストを受けさせられても、この5つのポイントさえ覚えていれば大丈夫!ご安心ください
①マスタードオイルとマスタードペーストを使う。辛味はマイルドで甘い味付けのものが多く、お米によく合う料理が多い。
②由緒正しい寺院ではピュアベジ料理が作られ、新大陸由来の原料(唐辛子、じゃがいも、トマトなど)は使わない。プラサードという、神話に則って56種類の料理を捧げるお祈りの儀式も行われる。
③沿岸部ではシーフードが多く使われた料理もある。特に、魚のマスタード煮込みカレーなどもおいしい。
④ベンガル料理と同じく、パンチフォロンを多用。オリヤー語ではPancha Phutana。構成はメティ、クミン、マスタード、フェンネル、ニゲラ。セロリシードになるパターンも。
⑤Rasgullaなど、オディシャ起源のスイーツも多数。
初級呪文
オリヤー語での食材や調理法をまとめてみました。
食材の呼び方はネパールやベンガルとの共通点も多く見られて面白いですね。
●食材名
肉(主にマトン)▶️マンサMansa
チキン▶️ククラKukuda
魚▶️マッチャMaccha
チリ▶️ロンカLanka
マスタード▶️ソリソsoriso
シナモン▶️ダルチニDalchini
カルダモン▶️アレイチアAleicha
ブラウンカルダモン▶️aleich
クローブ▶️ラバンガLabanga
フェンネル▶️パヌマドゥリPan Mahuri
カレーリーフ▶️ブルソンパットラ
ニンニク▶️ラスノ
しょうが▶️アダAda
塩▶️ルノ
砂糖▶️チニ
油▶️テッロ
パウダー▶️グンドGunda
●調理法
Chunka (タルカ)
Kassa/Kasha (ドライ)
Jhola (汁気)
Tarkari (おかず、”カレー”みたいな意味)
Rassa (汁)
Rai/Besara (マスタードペーストを使った料理)
代表的なオディシャ料理
ダルマ(寺院スタイル)
サントゥーラ
チャットゥベサラ
ググニ
ポカラ
サゴバジャ
アルーボルタ
マッチョ・ジョロ
チングリ・ジョロ
ククラ・ジョロ
チャクリピッタ
チェンナ・タルカリ
チェンナポダ
日本で食べられる場所
お店でオディシャ料理が食べられるところはなし。オディシャ出身のシェフがいるお店と仲良くなり、個人的にパーティーを企画してもらえば食べられるかもしれない。
こんな感じで、東京マサラ部室では毎月インド料理ゼミ活動をしています。興味のある方はマサラ部室のTwitterまで!
資料とゼミ当日に有識者にお話しを伺ったメモに関しては、購読者に限定公開します。
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