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カレー哲学の視点(21/7/11〜7/17)

文章を書くリズムを作るため、何も考えずに毎週日記を書くことにした。主にカレーを食べた記録とカレーを作った記録、カレーについて考えた記録。

推敲も校正もせずに気軽に更新するnoteです。
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日曜日

雨が強かろうと、サイケデリックなシャツが欲しくて高円寺に行ってしまう日が大人にはある。

ついでにその大人は、後にカレーの予定があろうとなかろうと、近くを通り掛かると時間がなくても吸い寄せられるように大江カレーさんに行ってしまう病にかかっている。

このときのカレーはヤリイカとエビ。時間がないときにカレーを急いで食べるのはお店にもカレーにも失礼なのであまりやりたくないのだがこのときは勢いで行ってしまった。期待をはるかに超えるうまみで、秒で整った。

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危ういものには魅力を感じる。よく「尖っている」という言葉を聞くようになったが、尖っているということは保険をかけていないということで、このカレーとライスという潔いまでの構成のカレーは本当にかっこいいと思う。

そういえば高円寺エリックサウスのカレーパンうますぎ。カルダモンの効いたマトンキーマがカレーパンに合わないわけないよな。


月曜日

朝起きたらとりあえずマンゴーをカレーとアチャールにした。放置していたらかなり追熟が進んでしまっていていた。スリランカでマンゴーをカレーにする場合はもっと青々とした状態で皮ごと使うものらしい。保存を前提としないフレッシュアチャールは半分熟したくらいの状態をおすすめするレシピが多かった。

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唐突に池袋の中国に行った。日本語は一応ついているのだが何が何だか分からない。自分の知らない世界に飛び込んでみたものの何を食べたらいいかわからず、とりあえず担々麺と四川ソーセージという無難な注文となってしまった。インド料理になじみのない人がお店の注文に慄くときの気持ちがちょっとわかった。いまはずっと後回しにしちゃっているけど中国料理も知っていったらめちゃくちゃおもしろいんだろうな。

知らないことを知りたいのは新しい景色を見続けたいからで、変化は常に相対的なものだから自分が変わることはすなわち世界を変えることなのである。

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火曜日

ウェットグラインダーを使うためにとりあえず油を入れて回したら朝から工事現場みたいな音が鳴り響いていた。



油を入れて回すのは石臼の表面を磨くためらしく、最初は色々と不純物が混入しているものらしい。30分でこんなに真っ黒になりました。需要があるかわはわかんないけど今度ウェットグラインダーの記事も書こう。

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よくわからないままポルロティ(ココナッツロティ)をアタで作ってみたら全然違った。完全にインドに引きずられてただのチャパティになってしまっら。

朝ごはんなどでよく食べるポルロティはアタではなく精製小麦粉を使い、分厚く丸く小さい状態で焼いてチリペーストと一緒に食べるものらしい。

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ポルサンボルも作ってみたが絶妙なコレジャナイ感。お店などではパプリカを増やして色を鮮やかにしつつレモンや塩で味をビシッと決めるものらしい。

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水曜日

スリランカの言葉でミリスはトウガラシ。(ヒンディーだとミルチ)

ミリスマールだと「唐辛子と魚」の意味になり、ルヌミリスだと「塩と唐辛子」という意味になる。

スリランカ料理を作っているとココナッツミルクを脱却することを常に考えるようになるが、ココナッツミルクを使うキリマール(キリはミルク)などに比べてミリスマールはすっきりしていて食べやすい。今回は安かったツナのあらを使ってみた。

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木曜日

ウェットグラインダーをせっかく入手したのでウラド豆と米をそれぞれ30分回すイドゥリを作ってみたら、調子に乗って生地が100個分くらいできてしまった。100イドゥリて。

イドゥリ専用の蒸し器を買ってからめちゃくちゃはかどるんだけど、一度に16個できてしまうのが難点。

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イドゥリができすぎてしまうというのは万国共通の悩みらしく、"leftover idli"のアレンジレシピっていうのが想像以上にたくさんあった。
揚げたりグレイビー吸わせてカレーの具にしたり。

ちなみに冷凍する場合は蒸す前の生地の状態で冷凍してしまったほうがよいらしい。


スリランカにおいてはイドゥリはタミル料理という扱いらしいけど、そのへんの感覚がよくわからず、詳しい方に話を聞いていると想像以上にタミルもスリランカも混ざり合っているらしい。

なのでスリランカ人になったつもりでイドゥリとポルサンボル、パリップで食べてみた。ぼんやりしてしまうのでサンバルとチャトニーのほうが好きだけど、これはこれで。そう考えてみるとタミル料理は結構酸味と辛味が効いた激しい味が多いのかな。

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この日は雨が駄目だったので精神的にアレだったが、スリランカプレートを食べ、銭湯に行き天然温泉に浸かり、ひとりでハーゲンダッツを買い食いするというギルティな所業を成し遂げ完全回復した。

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パリップ
いんげんのキラタ
ミリスマール
ポルサンボル
ゴーヤのサンボルなど


金曜日

梅雨が明けて朝から太陽が照りつけるようになり、嬉しくて優勝したくなったのでお皿で遊んで、めずらしくビールを飲んだ。

何も考えずに白い皿に盛り付けることが多かった昨今だが、お皿にこだわってみるといいですね。「料理ではなくて情報を食っている」のではないかという批判めいた話があるけど、情報じゃなかったら人間は何を食ってるっていうんだ?能動的に食う情報はうまいじゃないか。


土曜日

スリランカでフリーペーパー事業をやっている方と一緒に偏愛食堂のモハン精製のスリランカ料理を食べに。歴史の話から医療の話までとびまくりだったが、情報量が圧倒的に多い人と話すと楽しい。

こちらで詳しく書いて頂いています。

料理は全体的に甘く優しく、自分ではなかなか作れない味だった。料理を辛くてうまくするのって割と簡単だと思うんだけど、何かが突出するのではなく素材の味を引き出してバランスよく仕上げるのってすごい。

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ライス&カリーはひよこ豆のカレー、ドライな春菊のマッルン、サバのカレー、ポルサンボル、いんげんなど。

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キリバットを初めて食べたが、しっかり塩味の効いたおにぎりのような感じでおいしい。パリップは毎日作り方が変わるらしく、この日はキリバットに合わせるためのパリップの作り方になっているという。

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ポルロティ

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ワデはマサラワダのようなものを想像していたが全く違った。カリカリで美味しい。


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ライスプディング。

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ワダラッパンはあえて「す」が入った状態に仕上げるプリン。メイトーのなめらかなプリンになれている日本人的には失敗した茶碗蒸しのようにしか感じられない食感だが、なれるとこれは美味しいと思う。

スリランカで生産されているクジャクヤシの蜜、キトゥルパニーが甘露かというくらいうまくてビビった。

キトゥルパにー



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