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【アルバム紹介】our hope / 羊文学(2022)

こんにちは。ご無沙汰です。

さてさて、今日は羊文学のニューリリース(といっても4月19日ですが……)、『our hope』をご紹介します。
※アルバム発売してすぐに記事を書き始めたんですが、気付けば次のシングル「OH HEY」が出てしましました。ニューシングルは記事の最後で。

羊文学について

まぁ、羊文学みたいな大手どころについて、私ごときがとやかくご高説を垂れることはないので、サクッと説明します。

2012年結成。塩塚モエカ(Vo.Gt)、ゆりか(Ba)、フクダヒロア(Dr)からなるスリーピース・オルタナバンドです。昔はもっとメンバーがいたらしいんですが、しばらくスリーピースで活動中。

2018年リリースのシングル『1999』がスマッシュヒットとなり一躍オルタナシーンの中心に。私もこの頃から追ってます。

レーベルはSME系のF.C.L.S.。Suchmosが立ち上げたやつですね。

作風(個人的感想)

音楽シーンでは、「等身大」というのは既に手垢が付きすぎた表現で、口に出すのも恥ずかしいですね……。でも、殊に羊文学を表そうと思うと、これしかないんじゃないかと思っています。

特に歌詞。
最近のJ-Popのヒットチャートを聴いていると、わかりやすすぎる歌詞というか、もはやそれは歌に乗せる必要がないのでは?と思ってしまうほど説明的で嘘っぽい歌詞も多い!

その点、羊文学の曲は詩です。何回歌詞カード見てもわかるようでわからん。だって詩は理性で理解するものじゃないから。多分。

ただ一方で、韻や比喩を多用しているわけではなく、単に内面がそのまま転写されたような歌詞なのがいいんですね。一切濾過も加工もしていないような感じ。

この作風、言うは易しですが、多分、なかなかできるもんじゃないんだろうなと思います。と、まぁそんなわけで、内面そのままだからこそ肩肘張らずに聴ける、でも染みる、ということで「等身大」と言っておきたいと思います。

アルバム紹介

ではでは、今回のアルバムを紹介しましょう。

10.「OOPARTS」

さて、今回なんで、こんな有名どころを紹介しようと思ったかと思うと、10.「OOPARTS」にハマったからです。ということで、こちらからご紹介。

冒頭からシンセ!!!

私の記憶が正しければ、羊文学でシンセを使った曲はこれが初めてなんじゃないかと思います(違ったら教えてください)。これはただの私の性癖なんですが、オルタナ+シンセの組み合わせが大好物なんですね。もう涎出ちゃう。

Apple Musicへのインタビューでは、「これまでは、バンドサウンドに拘ってたけれども、前作までできることは全部やり切ったから、シンセに手を出した」と言ってました。

やっぱり一聴してすぐにわかるくらい、シンセが入ると変わりますね!一段と音楽性が広がった感じがして、これからのリリースに期待してしまいます。

シンセに耳が行きがちですが、かなりコーラス入れてますね。サビとか、Bメロとかは露骨だけど、薄く入れてるだけのやつも含めると、全編の半分くらい入ってるんじゃないかというくらい。

シンセに加えて、浮遊感のあるコーラスが、宇宙感(?)を演出している曲でした。

01.「hopi」

さて、仕切り直して01.「hopi」を。

気だるさも感じられるゆったりしたリズムからスタートし、少しずつボルテージが上がっていく曲。アルバムの頭にもってこいです。

そういえば、生で見たことないんですが、羊文学ってライブも結構爆音だっていう噂聞きました。この曲が爆音で流れてると思うと最高ですね。

雑談ですが、最近のアルバムって、結構こういうアルバムを通しで聴く時ことを前提とした、「アルバム専用の曲」って減ってる気がするんですけど、気のせいでしょうか。

02.「光るとき」

さて、おそらくこのアルバムの本命は02.「光るとき」です。アニメ「平家物語」とのタイアップですね。

序盤はかなりニュートラルな感じで、明るい曲か暗い曲かよくわからないまま、ぬるぬる進んでいきます。ところが、Aメロ、Bメロと進んでいくにつれて、みるみるうちに力強く。サビの時点では、もう完全に前に進んでいく曲になっています。

底抜けに明るいってわけじゃあないんですが、それでも力強く、人生を駆け抜けていくというメッセージの曲。

04.「金色」

ものすごい不協和音(笑)。

現代の音楽って、一昔前のクラシック音楽とは違って、基本的に不協和音を許容する、というか、不協和音なしではもはやダサくさえあるってのはあると思うんです。

ただ逆に、DIY的なアマチュアの曲を聴いていると、なんというか「音楽理論のわかっていない不協和音」というか、センスのない不協和音ってあると思うんですよね。

ここの差はなんなんでしょうね。とにかく、この曲は良い。なんとなく満たされない鬱憤みたいなのを歌った曲ですね。

07.「くだらない」

このアルバムを通しで聴いて思ったんですが、羊文学の曲は結構ギャップのある曲が多いですね。一見明るい曲に見えても、思ったよりドキッとした歌詞が入ってたり。

さて、一番きれいな曲だと思ったのが、この04.「くだらない」。どう考えてもタイトルは一番濁ってますね。歌詞も、アルバムで一番ストレートに不満を歌ってる気がする。

ラブソング風の歌詞ですが、どうもラブソングじゃなくて、アルバム制作上の不満を歌った曲らしいですね。

おわりに:ニューシングル「OH HEY」

さて、羊文学のニューアルバムが良かったので紹介記事を書いたんですが、下書きに眠らせている間に、次のリリースが出ちゃいましたね。

台湾のLÜCYとのコラボ曲。5月18日発売。

話によると、LÜCYがずっと羊文学に惹かれていて、声をかけたそう。全編リモート制作とのことです。

作詞はLÜCYと塩塚モエカの共作、作曲・演奏は羊文学。英語と日本語が、どちらが補完とかではなくて、そのまま共存している不思議曲ですね。お互いのぶつかり合いのような感じ。

さてさて、中途半端にニューシングルも紹介しましたが、文字数も2000を超えているので、この辺で。

さらば、また会う日まで。



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