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ITベンチャー新卒5年目、中小企業診断士試験の勉強をした理由と得たもの

私がfeedforce Advent Calendarの23日目で記事を書く理由、それは、本来20日に控えていたはずの中小企業診断士2次口述試験と、22日に行っていたはずの実家への帰省を済ませて、年末のバタバタが落ち着いたスッキリした気持ちで書くつもりだったからです。しかし、どちらも実現されることはなく、ただこのnoteを書くことだけが残っているのである...

この記事はfeedforce Advent Calendar 2020 23日目の記事です。

昨日は新卒1年目すずかまの出社の価値をナメていた新入社員が出社して「出社メッチャ大事」と思った話でした。
彼女はいつも分かりやすくて読むのが楽しくなる文章を書いているので、日報などを読むのをこっそり楽しみにしています。
新人教育は非言語的要素が大きいので、対面での実施のメリットがまだまだ強いな、ということは拭えませんね。私もいつもこの点は難しいなぁと思っています。

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さて、振っていただいた新規事業開発の話は残念ながら置いておき、昨年〜今年にかけてプライベートで取り組んできた、中小企業診断士の資格受験勉強の中で得た学びについて今回は書いていきたいと思います。

「仕事に慣れてきたけど次のステップとして何をしようか...」「資格の勉強って役に立つのかな...」と思う、いわゆる総合職、ビジネス職の方に向けて参考になれば嬉しいです。

中小企業診断士の資格概要と受験プロセス

中小企業診断士とは、中小企業支援法定められる「中小企業の経営診断の業務に従事する者」であり、要するに国が認めた経営コンサルタント、と言えるでしょう。

中小企業診断士試験は1次試験、2次試験ともに合格率20%前後と低く、広範囲な知識や思考力、表現力、知的体力が求められる、個人的には難易度はかなり高い試験だと思います。

私は2019年8月頃から試験勉強を始め、今年、令和2年度の1次試験に合格、2次筆記試験で不合格となった身ではありますが、なぜ受験を志したのか、記念にまとめておこうと思います。

筆者・井形について

株式会社フィードフォースというBtoBのSaaSプロダクト等を複数の事業を展開するITベンチャーに新卒入社し5年目後半戦を迎えています。

入社後2年間は自社サービスの大手事業者様向け営業を行っており、3年目から新事業として立ち上がった中小EC事業者様向けの自動広告運用サービス「EC Booster」のカスタマーサクセスを担当。

5年目となった今年4月頃から、新事業開発担当として次の事業作りを行っています。

中小企業診断士試験の受験を志したのは、EC Boosterのカスタマーサクセスとしてある程度業務に慣れ、落ち着きが生まれてきた4年目の夏のことでした。

なぜ受験しようと思ったのか?

受験を決めた理由は、3つに分類できます。

1. 明日からの仕事に活かせそうな気がしたため

ビジネスパーソンとして模範的な回答ですね。笑

中小企業診断士は、財務会計や工場オペレーション、人的資源管理、法務、政策等、幅広い領域の学習を行います。
自分が業務として担当していたEC Boosterで支援できるのは「販売 > ネットショップ販売 > 自社ECサイト > 集客 > 広告」という、ビジネスにおける細分化された1つの領域である一方で、私が日々業務の中で対峙する企業の経営者の課題は広範囲に渡るもの。私が向かい合う方の課題の可能性を広く知ることで、自分が持つソリューションをより的確に提案できるとともに、その方の本質的な課題解決への支援ができると考えていました。

2. 自分が一番知っている領域を作るため

入社し4年以上が経過し、自分がより次のステージに進むためには、何かの専門家としてあることが求められていると感じるようになりました。
「この分野だけは絶対誰にも負けない」という領域を持つことで、自分自身のキャリアアップや、プロダクトを超えた会社全体への貢献ができると考えていたのです。

社内を見渡すと、「事業開発」「マーケティング」「広告運用」「営業」等、いくつかのポジションでは既に「その道の専門家」とも言えるような人がいる一方、「顧客課題把握」という領域は、まだポジションが空いているのでは、と思いました。

顧客の目線で事業を考える方向に自分のスキルを持っていくことが、次のステップとして面白そうで、そのために知識を蓄えていこう、と判断しました。

3. 何かを成し遂げた経験を作り、自分の未来に繋げるため

ベンチャーに入社する人であれば、「20代のうちに何を成すか」ということを考える人も多いかもしれません。

詳しくは以下の会社にインタビューを受けた記事に譲りますが、私の場合、「20代を通じて、テクノロジーを活用する視点と、様々な企業に寄り添える視点を身に着けたい」と考えており、特に後者の視点を養うために、中小企業診断士の資格を取得したという一つの達成経験を作ろうと思っていました。

プライベートでも、2019年初めに結婚式を終えて一段落、2020年5月に新婚旅行が控えており(行けませんでしたが...)、勉強に一定の時間が割けることも見えたので、挑戦してみよう、と決めました。

診断士の資格を勉強してよかったこと

1年を超える期間のほぼ全ての週末をこの資格のために時間を投資してきましたが、改めて考えても、とても大きなメリットがあったな、と思います。

1. 顧客理解が自分の次のキャリアを作った

中小企業診断士の勉強を始めて半年ほど経過した頃、EC Boosterチームで特命のプロジェクトが立ち上がり、社長と同じチームのエンジニア、私の3人で顧客の課題を改めて把握しつつ次の事業の方向性を見据えることになりました。

このプロジェクトでは、徹底的な顧客インタビューを通じた顧客理解を起点として方向性を検討していこう、という話になり、早速学んだ知識が活きました。

インタビューでは、自分たちが提供する事業価値から一旦離れ、顧客の日々の勤務環境や事業経営状況などをお伺いするすることで本質的な経営課題を発見、課題解決のアプローチを検討していきます。

このインタビューにおいて、学んだ知識を活用することで、自分がやったことがない財務会計上に関する顧客課題の勘所を把握したり、業務では関わったことがない製造現場に関する話をスムーズに理解したりでき、インタビューが円滑かつ深く展開され、次の事業の方向性を見つけていくことができました。

さらに、インタビューを用いた事業の方向性づくりが一定評価されたのか、上述のプロジェクトが一段落つくタイミングで、エンジニア、私の2名は社長直下の新事業開発チームに任命され、私の新しい進む道として、新事業開発というポジションが拓けました

新しい道も困難の連続ではあるものの、自ら創造したチャンスと考え、日々悩みながらチーム一丸で前に進んでいます。

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(偉そうに自分のインタビューのノウハウを社内に上げています)

2. なんとしてもやりきるという胆力がついた

今年はコロナ禍で、外出が著しく制限された環境の中で、土日も自宅で机に向かい試験勉強をする以外に選択肢がないような日々となってしまいました。

フィードフォースではコロナ禍以降、在宅勤務が基本になっているため、ほぼ毎日同じように机に向かう環境となり、何度も気が滅入りそうになりました

また、最大の山場となる2次筆記試験のタイミングは、仕事でもこの1年の中で最も緊張する業務を行っており、2次筆記試験の直前2週間程度は精神的にギリギリの状況であったように思います。

このような状況の中、同じく受験していた私の妻とお互いに励ましあい、職場や友人の皆さんの応援やご協力もいただいたおかげもあり、1年を超える受験勉強をやって悔いなく試験に臨めたということは、私にとって一つの自信となりました

実は最初に「中小企業診断士の資格取得に興味がある」と切り出したのは妻であり、この1年間も彼女のやる気に助けられたところも大いにあるので、彼女には深く感謝しています。

妻ともども試験は不合格であったため大きく胸を張ることはできないですが、この胆力が今後自分たちを支えるのでは、と思っています。

来年以降も合格に向けて少しずつ学習していこうと思います。

まとめ

ITベンチャーのように変化の激しい環境の中では、ともすると国家資格の勉強はある種「古く遅れている」「頭でっかちになり機動力が下がる」と捉えられる場合もあるように思います。

しかし、ビジネスの基礎を改めて押さえることは、変化の激しい環境の中で、ふらふらと流されず、本質を見極めて時流を正しく捉えるためにとても重要なのではないかと、中小企業診断士の資格勉強をして感じました。

私自身、この学習を通じてどのようなアウトプットが返せるか、今後の自分にワクワクしています。

勉強を実務に活かせるかはその人や周囲の環境次第だと思うので、おしなべて推奨はしないですが、改めてビジネスを体系的に学び、基礎的な体力をつけていくプロセスとして、中小企業診断士資格の勉強はおすすめです。

またの機会に、具体的に私自身がどのような学習を行ったかはまとめられればと思います。

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明日はいよいよクリスマスイブ!EC Boosterチームの立川さんが好きな音楽の話について書いてくれるそうです。お楽しみに!

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