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普通の薬剤師がPdMになりました

はじめに

PharmaXの薬剤師、兼PdMの横澤です!
本記事は弊社のアドベントカレンダー、18日目の記事です。

私はこの会社に入る前は、病院、薬局で薬剤師として現場で働いてきました。
1年ちょっと前にPharmaXに入社してから、PS(ペイシェントサクセス:弊社ではカスタマーサクセスのことをこう呼んでいます)として働いておりましたが、数ヶ月前からPdMとしてもやらせてもらっています。まだまだ初心者PdMです!

入社時には、そもそもPdMの存在すら知らず、想像もしていなかったキャリアです。
薬剤師とPdMは、完全に畑違いの職業のように感じますし、私もそうだと思ってきました。

ただ、そんな薬剤師としてのキャリアしかなかった私が、PdMとしてやっていく中で「薬剤師とPdMの共通点」「薬剤師がPdMをやるメリット」を感じていることをお話しできればと思います!

薬剤師の方や、PdMに興味がある/なりたい方向けの記事です
アドベントカレンダーはエンジニアの方が多くみているかと思いますが、ご興味あれば読んでみてください

共通点は、相手の課題を解決すること

薬剤師、PdM、どちらも根本は「相手(患者さん/ユーザー)の課題を解決すること」という点は共通していると考えます。

まず、薬剤師の仕事は「患者さんが抱えるペインが何なのかを見極め、それに対して適切な選択をしていくこと」だと思います。
世間一般的な薬剤師のイメージは、まだまだ「調剤して薬を渡す人」というイメージは強いかもしれません。
ただ患者さんに薬が渡るまでに「患者さんが抱えるペイン(病状など)は何か」を見極め、「そのためのソリューションは、本当にこの処方がベストなのか?」という問いへの回答を見つける過程が存在します。その処方がベストではない場合、より患者さんの状態を良くするための薬の選択を考え、それを医師に対して提案をします。
もちろん、ペイン解決のためのソリューションは薬だけではありません。患者さんが辛いと感じる気持ちに寄り添うようにコミュニケーションをとることも、薬剤師としての大きな責務と感じています。
コミュニメーションなどの過程で得た主観的情報と、検査値などの客観的情報を合わせて、総合的な面から患者さんのペインを正しく見極め、そのペインが解決するまでの一連の体験に、薬剤師は大きな責任を持っていると私は思います。

一方、PdMの仕事も、ターゲットとするユーザーの解決すべき課題を正しく見極めることが大切です。
その上で価値を感じてもらうために「私たちがやるべきことは何か?」を問い続け、その答えを見つけていき、ユーザーの抱える課題が解決されるプロダクトを考えていきます。
そのためどちらの職業も、相手の課題を正しく見極め「患者さん/ユーザーの課題を解決するためには何をすべきか?」の答えを考えつづけるという点が共通していると思います。
そのソリューションが、プロダクトにしていくことなのか、そうではないかの違いなのだと思います。

弊社のサービスのユーザー=何らかの不調(不定愁訴)を抱える「患者さん」です。そのため、今まで患者さんを相手にコミュニケーションをしてきた薬剤師の経験は、プロダクトを作っていく中、ターゲットとなるユーザーを理解する上で非常に役立っていると感じます。
また薬剤師として患者さんとコミュニケーションとる時は「この患者さんはどんな人?いちばん欲しいことはなんだろう?」と常に考えています。
PdMとしてもインタビューやチャットを通じてユーザーとコミュニケーションをする上で、同じことを常に考えています。
どちらも相手を理解しなければ、本当の価値を発揮できないし感じてもらえないという点も同じです。

ただ一つ大きな違いだと感じる部分があります。それは「答えの選択肢がすでにあるかないか」です。
たとえば薬剤師が処方の妥当性を見極める時、治療のガイドラインなど選択肢や、これがダメならこっち、というようなパターンがすでに用意されていることがほとんどです。
それに対し、PdMは常に答えのない問いに対しての答えを考え続けています。
それが難しさでもあり、PdMの面白い点だと思います。
薬剤師とは異なる考え方で答えを見つけていくので、苦戦しつつも楽しいところです!


仮説検証においてのロスが最小限

専門的な知識が必要となるプロダクトを作る過程では、その分野の専門知識が不可欠です。
私たちのサービスの場合は、薬剤師の力が必要になります。
この状況で普通なら、専門的な知識が必要なときに、PdMが薬剤師の手を借りるという状況が浮かぶかもしれません。

ただプロダクトを作っていく上では、まずは小さく素早く検証して改善を繰り返すことの大切さを実感しています。
そのためにはスピード感のある改善サイクルと、それをやるべき目的・背景についての理解が欠かせません。

PdM→薬剤師のトップダウン的な関係だと、どうしてもタイムラグや、目的・背景の理解に齟齬が生じてしまうかと思います。
PdM=薬剤師であると、ここで生じるタイムラグ、齟齬はなくなります。
そうやって薬剤師としての専門的な知識が必要な仮説検証を解像度100の状態で進められると、プロダクトづくりにおいてのロスを省き、効率よく生産性高く進められます。

もちろんある程度の大きい組織になった場合は、それぞれの専門性を100%活かせるように権威移譲したほうが効率良く進められるかもしれません。
ただ小さくPDCAを回している段階では、サービスに必要な専門性を持つ人と、プロダクトづくりにコミットする人、これが重複している方がスピード持ってできると実感してます。

この段階で、そんな大きな問題?と感じる方もいるかもしれませんが、私は小さなラグや齟齬が積み重なって大きな遅れになると考えると、とても怖いです。
そのため最初から食い止めておける状況は大きなメリットです!

また、小さく検証してる段階から薬剤師目線での改善案を出せることや、薬剤師かつPdMだからこそ気づく患者さん目線での問題察知も大きなメリットだと思います。
ずっと患者さんに向き合ってきた薬剤師だからこそ出せる意見はいくつもあるはずです。
それぞれが小さいものでも、積み重なると大きな違いになると感じていますし、プロダクトづくりにおいては、その小さな積み重ねがプロダクトの完成形に大きく関わると感じています。

最後に

今回は「薬剤師」がPdMをやってみて感じたことを記載しましたが、どんな職業でも同じことが言えるのではないかなと感じます。
専門職でいうと医師、看護師、管理栄養士などの医療職はもちろん、美容師、スタイリストなどなど……その分野で何かプロダクトを作りたい!となったときには通ずる話ではないでしょうか。
とにかく畑違いの仕事に見えても、実現したいものへの強い意思打席に立つことを恐れない気持ちがあれば大丈夫!と感じています。(甘い考えかもしれませんが笑)

私がPharmaXに入った理由の一つは「薬剤師がもっと生活の中にいて当たり前で、患者さんと日常でも気軽に関われる社会を作りたい」と思ったからです。
ただ、そんな社会の作り方がわからない1人では何もできないから、力を頼るために会社に入りました。
PdMの仕事も1人でできることには限界があります。PdMだけでは何もできないから、周りを頼って、力を借りて、理想のプロダクトを作っていくんだなと、この数ヶ月経験しただけでも感じています。

薬剤師として「こういうことを実現したい!!」という考えがある人であれば、PdMという仕事は選択肢の一つだと思いますし、薬剤師の可能性の幅をさらに広げることにつながるでしょう。
PdMとしてまだまだひよっこの私ですが、この記事をきっかけに誰かの選択肢をひとつでも広げることができたら幸いです!


PharmaXでは薬剤師をはじめさまざまな職種での新たな働き方へのチャレンジを応援しております。
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