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【シリーズ市販薬】シーン別おすすめしたい鎮痛剤

【はじめに】
市販薬はネットでも購入になっていて、とても便利ではあるんですが、配合されている成分が複数あったり製品が多かったりと、いざ買うとなるとなると迷ってしまいます。中には価格重視で購入する方もいらっしゃるのでは。もちろん価格も大切ですが、やはり「安心購入・安全使用」が一番大事です。 
【シリーズ市販薬】では簡単に薬剤師としておすすめしたい製品情報記事と、各成分の勉強用記事に分けて書いていきます。できましたら、2記事セットでお読みいただければと思います。
※個々の体質・体調、症状等によって適切な薬剤は異なります。あくまで参考にしていただけますと幸いです。
※体調等々、ご不安な点がある方はお近くの薬店・ドラッグストアの薬剤師さん、または登録販売者さんまでご相談ください。
※体調変化や副作用が疑われる場合はお近くの医療機関へおかかりください。
※製剤の最新情報は、各製薬会社のHPをご覧ください。

シリーズ市販薬
今回は【鎮痛剤】です。

頭痛・歯痛・月経痛・関節痛など、痛みは急にやって来きます。すぐに飲めるようにと自宅に常備されている方もいらっしゃるのでは。
わかりやすくするためにシーン別におすすめしたい製剤をまとめました。


これより下は動画と同じ内容です


頭痛を抑えたいとき

おすすめ1:バファリンルナi(ライオン)
まずはバファリンルナiを試してみましょう。軽い頭痛ならこれでスッキリします。


鎮痛成分のイブプロフェンアセトアミノフェンを1:1で配合しています。医療用の薬は基本的には1製剤1成分なので、ダブル処方は市販薬のいいところですね。
「イブプロフェン」が痛みのもとに、「アセトアミノフェン」が痛みの伝わりに作用します。
こちらは眠くなりにくい製剤でもあります。

おすすめ2:ロキソニンSプラス(第一三共ヘルスケア)
そして、より痛みが強い時はロキソニンSプラス

ロキソプロフェンナトリウム水和物が医療用と同量配合されています。また胃を守る効果がある酸化マグネシウムも加えてあるため、胃にも優しい製剤となっています。こちらにも眠くなる成分は入っていません。第一類医薬品のため、薬剤師がいないと購入できませんが効果が高いです。


おすすめ3:セデス・ハイ(シオノギ)


鎮痛作用が強いピリン系成分・イソプロピルアンチピリン(IPA)アセトアミノフェンが配合されています。「頭痛・歯痛にはこれ!」と言われる方もいらっしゃるほど。
眠くなる成分が入っているので運転や機械操作・高所作業の方には不向きですですが、「痛くて眠れない」という方には効果的です。
また、ピリンアレルギーの方は使用できません。

おまけ:漢方ズッキノン(小林製薬)

頭痛には肩こり由来の頭痛があります。漢方ズッキノンは肩が凝って長引く頭痛に効果的です。肩コリ頭痛は鎮痛薬を飲んでもぶり返すことがあるため、肩こりや血行不良などの不調もあわせてケアしておくことが重要です。こちらは「釣藤散」という生薬成分が配合されており、上記の鎮痛剤と併用することも可能です。


月経痛を抑えたいとき

女性の悩み月経痛。どれを選んでいいの?という声をよく聞きます。
月経痛は経血を外に排出しようと子宮が収縮するために起こります。この収縮の原因成分が「プロスタグランジン」。このプロスタグランジンを抑える鎮痛剤が有効です。痛みを我慢することはなんの得にもなりません。痛みが出たらすぐ服用しましょう。

おすすめ1:エルペインコーワ(興和)

日本で唯一の月経痛専門薬です。プロスタグランジンを抑える「イブプロフェン」と、子宮の収縮を和らげてくれる「ブチルスコポラミン臭化物」を配合しています。また眠たくなる成分は含まれていないため、眠くなる心配がありません。
副作用として口の乾きや便秘が出る場合がありますので、長期連用はおすすめしません。痛みがひどくなる二日目や三日目に使ってみてください。

おすすめ2:イブクイック頭痛薬DX(エスエス製薬)

イブプロフェンが医療用と同量配合されており、また胃を保護する酸化マグネシウムも加えてあります。眠くなる成分アリルイソプロピルアセチル尿素が配合されており、運転をされる方には薦められないのですが、鎮静効果もあるため「月経でイライラする」や「痛みで夜ねつけれない」という方にはおすすめです。
また、月経によって引き起こされる頭痛にも効果があります。


歯痛を抑えたいとき

歯痛に対してはどの痛み止めも大差なく効果を発揮しますが、一刻も早く抑えたいもの。上記と同じ製剤がおすすめですが、歯痛の場合は痛みの原因そのものを治療しなければならない場合が多いです。受診までのつなぎとして使用し、早めに歯科にかかりましょう。

おすすめ1:ロキソニンSプラス(第一三共ヘルスケア)

ロキソプロフェンナトリウム水和物が医療用と同量配合されています。また胃を守る効果がある酸化マグネシウムも加えてあるため、胃にも優しい製剤となっています。こちらにも眠くなる成分は入っていません。
第一類医薬品のため、薬剤師がいないと購入できませんが効果が高くおすすめです。

おすすめ2:セデス・ハイ(シオノギ)

鎮痛作用が強いピリン系成分・イソプロピルアンチピリン(IPA)アセトアミノフェンが配合されています。「頭痛・歯痛にはこれ!」と言われる方もいらっしゃるほど。
眠くなる成分アリルイソプロピルアセチル尿素が入っているので運転や機械操作・高所作業の方には不向きです。「痛みで寝れない」「イライラする」という方には効果的です。
また、ピリンアレルギーの方は使用できません。

おすすめ3:イブクイック頭痛薬DX(エスエス製薬)

第2類医薬品のため、薬剤師が不在でも購入することができます。またピリンが含まれていないためピリンアレルギーの方でも使用できます。急ぎで購入したい方におすすめです。

イブプロフェンが医療用と同量配合されており、また胃を保護する酸化マグネシウムも加えてあります。クイックとつくだけあって即効性もあります。
眠くなる成分アリルイソプロピルアセチル尿素が配合されており、運転をされる方には薦められないのですが、鎮静効果もあるため「痛みでイライラする」や「痛みで寝れない」という方にはおすすめです。

関節痛を抑えたいとき

関節の痛みに対しても痛み止めは成分に限らず効果を発揮します。

おすすめ1:ラックル速溶錠(日本臓器製薬)

水に触れるとすぐに溶け出す速溶錠タイプ。有効成分がアセトアミノフェンのみなので眠くなることもありません。胃にも優しいです。
アセトアミノフェンは苦味がつよいので、ミント味がついています。

おすすめ2:ロキソニンSプラス(第一三共ヘルスケア)
そして、もっと痛みが強い時はロキソニンSプラスがおすすめです。

ロキソプロフェンナトリウム水和物が医療用と同量配合されています。また胃を守る効果がある酸化マグネシウムも加えてあるため、胃にも優しい製剤となっています。こちらにも眠くなる成分は入っていません。第一類医薬品のため、薬剤師がいないと購入できませんが効果が高くおすすめです。

お子さんに使える鎮痛剤

市販薬で15歳未満のお子さんに使用する場合は「アセトアミノフェン」を選択するようにしましょう。

おすすめ:小児用バファリン(ライオン)

3歳から使用できるアセトアミノフェンのみ配合の製剤です。
チュアブルタイプはオレンジ味がついており、水なしでも服用できますが口に残ると強い苦味が出ますので、水でさっと服用するようにしましょう。
他にもお子さんが使用できる製剤はありますが、複数成分が配合されているものがあります。それが決して悪いわけではありませんが、できるだけシンプルな製剤をおすすめします。
お子様バファリンシリーズはシンプルな製剤ですのでおすすめです。

使用の際の注意点

各製剤の使用の際は、添付文書をよく読み用法・用量をお守りください。
ご不明な場合はお近くの薬局・ドラッグストアの薬剤師さんにご相談ください。
すでにご自身の症状や体調に合った製剤を服用されている方は、無理に変更する必要はありません。また、今回はわかりやすくまとめるためにシーン別としましたが、痛みの種類によって製剤を変更しなければならないと言うことではありません。シーン別よりも痛みの強さで選ぶと効果的な場合が多いです。迷った時の参考としていただければ幸いです。

一般的な注意点
守らないと現在の症状が悪化したり、副作用・事故がおこりやすくなります)

【してはいけないこと】
1.次の人は服用しないでください
・解熱鎮痛成分によりアレルギー症状をおこしたことがある人
・解熱鎮痛薬、かぜ薬を服用してぜんそくをおこしたことがある人
2.次の医薬品との併用はしないでください
・他の解熱鎮痛薬、かぜ薬、鎮静薬、乗物酔い薬
3.服用後、眠気が出る製剤があります。乗物または機械類の運転操作・高所での作業をしないでください
4.服用前後は飲酒しないでください
5.長期連用しないでください

【相談すること】
1.次の人は服用前に医師、歯科医師、薬剤師または登録販売者にご相談ください
・医師または歯科医師の治療を受けている人
・妊婦または妊娠していると思われる人
・高齢者
・薬などによりアレルギー症状をおこしたことがある人
・次の診断を受けた人
 心臓病、腎臓病、肝臓病、胃・十二指腸潰瘍
2.服用後、副作用の疑いがある場合は、直ちに服用を中止し、医師、薬剤師または登録販売者にご相談ください(各製剤の副作用は添付文書にて確認してください。)
3.5~6回服用しても症状がよくならない場合は服用を中止し、医師、歯科医師、薬剤師または登録販売者にご相談ください


新型コロナウイルス感染症とイブプロフェン(NSAIDs)

(2020年4月末記)
3月中旬にフランスのヴェラン保健大臣がツイッターで「新型コロナウイルス感染症に罹ったらイブプロフェンなど※の薬を飲まないように」という趣旨の発言をしました。
※非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)のこと。NSAIDsは種類が多く、イブプロフェンだけでなくロキソプロフェンやアスピリン等も分類されています。

新型コロナウイルスに感染した時にイブプロフェンなどの服用により新型コロナウイルス感染症が悪化することを示す科学的な根拠は得られおらず、情報元はあくまで「臨床報告に基く仮説」となっており、しっかりとした「研究論文」ではありません。現時点では、イブプロフェンなどの使用と新型コロナウイルス感染症の重症化は相関関係にあるか確かではありません。

日本薬剤師会でも「厚生労働省等と連携して情報の収集に努めて参ります」と発表しており、https://www.nichiyaku.or.jp/activities/disaster/virus.html
現時点では新型コロナウイルス感染症による発熱にイブプロフェンなどを使用することの是非については、「イブプロフェンの代わりにアセトアミノフェンを使う」という結論になっています。

今回は「鎮痛」にスポットを当てこの記事をかきました。
発熱がなく鎮痛目的であれば、イブプロフェンを始めとするNSAIDsも治療の選択肢のひとつとしてもいいのでは無いかと、個人的には思っています。

ただし、一般の皆様に製剤をすすめる際は、聞き取りをしっかりおこない、
どうしても心配な方には「アセトアミノフェン」単独製剤を服用するようにお伝えしております。
新しい情報が出てきたら都度、更新をしたいと思います。

皆様が健やかな毎日を過ごせますように。
それでは。

バファリンシリーズ(ライオン)
https://www.bufferin.net/

ロキソニンシリーズ(第一三共ヘルスケア)
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/products/brand/loxonin-s/

エルペイン(興和)
https://hc.kowa.co.jp/lpain/sp/qa.html

イブシリーズ(エスエス製薬)
https://www.ssp.co.jp/product/brand/eve/

ラックル速溶錠(日本臓器製薬)
http://www.nippon-zoki.co.jp/products/ippan/lackle-sp/index.html

医薬品副作用被害救済制度はこちらから
https://www.pmda.go.jp/relief-services/adr-sufferers/0011.html

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