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第32話 門司港デート

翌朝目覚めると、外はよく晴れていた。お互いに早起きな私たちは、門司港の街を朝散歩することにした。

まだ眠っている商店街を、昨日と同じように手をつないで歩く。海のほうへと歩いていくと、少し風が強まった。

彼とは1月から遠距離でお付き合いをしていて、これが3回目のデートになる。4月に会ったときは鹿児島での滞在時間が24時間もなかったし、6月は鹿児島観光がメインの旅行だった。

だからこそ、ただのんびりと街をお散歩するこの時間がすごく新鮮に感じる。すぐに会える距離に住んでいたらなんてことなく実現できるであろうデートが夢のようなのだ。

門司港は「レトロな街並み」と聞いていた通り、まるで外国に来たかのようなデザインの建物が多い。ただ写真に収めるだけでも絵になるので、歩いていてすごく楽しい。

何か観光できるところはないかと検索していると、すぐ近くに展望台があることがわかった。10時から開くようなので、オープンの時間を待って展望台に登る。

平日の朝一だからなのか、展望台は空いていた。よく晴れているので海がきれいだ。レトロな建物たちは上から見るとカラフルでかわいらしい。

ひとしきり景色を楽しんで地上へ戻ると、バナナジュースの看板が目に入った。そういえば昨日の夕方に散歩したときも、バナナジュースを出している店がいくつかあった。

「入ってみよっか」

2人して気になってしまい、お土産屋さんの横にあるジュースのお店へと足を踏み入れた。

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