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noouchi
壊れそうな笑顔
ポジティブ日記を書き始めてから、私は中学時代とは打って変わって、明るさを取り戻していた。
何か嫌な出来事が起きても「●●じゃなかったからよかった!」と考えるようになり「大丈夫!」が口癖になっていった。
「ゆうなちゃんと一緒にいると、元気になれるよ」
「ゆうなちゃんはいつもポジティブだよね」
そんなふうに言われることが増えて、嬉しくなった。このころにはポジティブ日記に書き記さなくても、頭の中で物事のいい側面を自然と見つけられるようになっていた。
進学校でものすごい量の宿題をこなしながら、私は4つの部活を掛け持ちした。周りにポジティブを振りまきながらも、心のどこかではいつも焦りと闘っていたのだ。
勉強や部活に没頭している間は得体の知れない焦燥感に向き合う必要がないから、私はいつもぎちぎちに予定を詰めていた。
正体がわからない不安や恐怖を押し込めて、楽しいと思えることを朝から晩までひたすらこなして、笑顔でいられる理由を常に追い求めるようになっていた。
今思い返すと、高校生の私が常に抱えていた焦りや不安、恐怖心は「何もかもがつらかった、中学生のころの自分には戻りたくない。あのころの自分はもう見たくない」という思いからきていたのかもしれない。
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