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暗闇に差し込んだ光

家にも学校にも居場所がなかった私は、一刻も早く中学校を卒業したい気持ちでいっぱいだった。

卒業式の日、友達と離れ離れになるのが悲しくて号泣しているクラスメイトを横目に「やっと地獄の日々から解放される」と、冷めきった気持ちでいたのを今でも覚えている。

住んでいる学区で自動的に行く学校が決まる義務教育とは違って、高校は私が自分で選んだ学校だ。4歳から英会話を習っていて、英語が大好きだったこともあり、国際科がある高校に決めた。

「4月からは、新しい環境で新しい学校生活が始まる」

中学校生活よりも楽しく過ごせますようにと、高校生活に最大限の期待を寄せていた。

迎えた高校の入学式で、学年主任の先生が私たちに向かってかけてくれた言葉が、私は今でも忘れられない。

「たった1つでいいので、高校3年間でこれだけは続けるぞ、というものを決めてください」

中学校の3年間は、つらくてつらくて耐え忍んだ3年間だった。高校生活は、絶対に最高の思い出にしたい。

そのとき私が決めたのが「高校3年間、笑顔で学校生活を送る」というものだった。

もしかすると中学生のころの私は、出来事の嫌な側面しか見ていなかったのかもしれない。いいことも悪いことも平等に起こっていたはずなのに、いいことには目を向けてこなかったのかもしれない。

毎日を笑顔で過ごすなら、今日起こったいい出来事に目を向けたほうがいいんじゃないか。

そこから私は「ポジティブ日記」と名づけて、毎日の記録を始めた。

今までドロドロとした黒い感情を吐き出していた日記帳に、今日起こったいい出来事や、悪い出来事はどう捉えればいい出来事になるのかを書き記すようになっていった。

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