「後入れ、先出しなんです」~それは店側の都合でしょう!(その2)~

一人の患者さんしか使っていない薬品A(1日1回、1錠服用)がありました。常に在庫は30錠。無くなったら次回分30錠を発注する。

薬の処方日数は患者様の次回受診予定日によって変化するのはあり得ること。つまり通常30日の処方が、29日になるとき等があるわけです。

ある日、1錠の端数が残った。

個人店経営者兼管理薬剤師、『古いのが残っていっても困るから、後入れ、先出しでこの一錠から先に使って』と勤務員へ指示。

指示が悪い。

それから30日処方がしばらく続き、調剤補助は、経営者の言うことだから、と、先に残っている1錠と、後から納品される30錠のうちの29錠という組み合わせで調剤。つまり、常につぎはぎ(29錠+1錠)です。

毎回1錠だけが他の錠剤と生き別れ状態の薬を受け取り続けた患者様。
ある日ついに堪忍袋の緒が切れた。

「たまにはきれいによこさんか!いつも1錠だけ切り離して!残りもんをよこしているのか?!」と。

管理薬剤師、患者様が1名しかいないこと、奇数日の時があったからこうなっていることを説明するも・・・まるで、奇数日を発生させた患者様に非があるように聞こえる説明です。怒りは鎮まらず、次回から30錠、切り離すことなく渡すことになりました。

お金をもらっている以上、商品です。
患者様に気分良く飲んでもらうために努めてきれいな形状で渡そうと努めれば良いものを、古いのが残ったら困る(ロスになる)、と見かけには気を使わなかったのです。

後入れ先出しを一律優先させるのではなく、「同じ期限のときは入れ替えなくて良い」と付け加えておけば、30錠で出せるときもあり、毎回ではない、と患者様の怒りもまだ抑えられたはず。

1錠を先に使いたいが為に、職員の労力を無駄に使い続け、怒られ、店の印象ダウンする必要あります?

『薬は商品、患者様はお客様』でもあるのですヨ☺️
ご参考に。



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