ショートショート

少しずつ芽生えた企て

 私は、いつ頃からか忘れてしまったが、
夜の仕事やAV、風俗などに興味があった。
快楽に弱い私自身の本能かもしれないし、
幼き頃に見てしまった父親のエロ本、
所謂、一方的なものから、
素人投稿まで幅広い時代とジャンルのものを見たときからかもしれない。

 どれが要因かは全くわからない。

 だが、確かに私の胸の奥に、身体の奥底に、知らぬ異性や同性と身体を重ねたり、想いを馳せるという願望が強く、それは根強く存在していた。
 その願望を抱いたまま成長した私は、一人のセフレを作り一時期を過ごしたが、それもすぐ終わってしまった。

 それは彼への罪悪感だ。

 愛している。そんな彼がいるのに、私は彼ではない、他の異性に抱かれている。
 道徳的に許せず、なぁなぁで断り続け、関係は終わりを迎えた。

 だか、今、消えず隠れていた願望が、お金が欲しいという願望に呼び起こされ、相乗効果となり、働ける場所がないか、43歳夏、行動を起こした。

 まだ、面接はしていない。

 応募しただけ。
 働きたい。稼ぎたい。
 彼には黙っている。

 私は、願望と欲望と快楽に弱過ぎる。
 彼への罪悪感は、一つの快楽へと変わりつつある。
 そして、私は、また一件応募した。


 私の心は、今まで見てきた世界を体験できる可能性に心躍らせ、スマホに通知が来る度に、目を爛々と輝かせた。

 面接が決まる。
 年齢的に熟女の括りになると言われたが、そんなことどうでも良かった。拘束時間も、その内容も、私には快楽の材料にしかならなかった。

 数日後、連絡が来た。
 私は、彼の知らぬところで抱かれることになった。

 そして、まず初めに、病気がないか診察を受けに医療機関へと向かうこととなった。

 私はただの快楽に溺れる女でしかなかった。

私の生活の中で、メニエール病や精神疾患、学習障害などの持病からお役に立てそうなお話を発信していければと思っております! たまに、趣味のハンドメイドも発信いたします(´,,•ω•,,)