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仕事の切り分け 〜ケアマネの領域か否か〜

ケアマネの業務は多岐に渡ります。アセスメント、ケアプラン作成、モニタリング、介護保険更新など、それぞれの作業の中で、利用者とのコミュニケーションを行い、事業所との調整を行い、書類を作成するなど、求められるスキルがそれぞれ違うものが混在しており、なかなかにエネルギーを使う仕事となっています。

これらの仕事について分類すると、大きく3つのグループに分けられます。

1. 対人スキルが求められる仕事

アセスメントやモニタリングなど、利用者との会話を通じて情報収集し、話の中で現れる表情や言葉の間などから気持ちを読み取り、そこに隠れている本音を引き出すことが含まれます。その根底には利用者との信頼関係が築けている必要があります。ケアマネの仕事としては最も重要な対人スキルとなります。

2. 分析・計画能力が求められる仕事

アセスメント内容から課題分析を行い、対応するサービスを考えてケアプランを作成する、モニタリングで得た情報などから課題を抽出するといったスキルです。高齢者に発生しやすい課題のパターンを蓄積し、どのような解決策と対応する事業所の情報を知っているか、適切なプランニングが出来るかが問われます。これもケアマネの専門的な知識と経験が必要とされる部分であり、特定の状況に応じた判断やアドバイスを提供する能力は、ケアマネの価値を高めます。

3. 事務処理能力が求められる仕事

日々の記録を正確に素早くこなし、議事録作成・介護保険更新など、多くの書類を作成する事。それに付随する各事業所や役所などとの調整やスケジューリングなど、主にデスクにて行う作業となります。

ケアマネの専門性が生きるのは?

ケアマネという資格を持つ人間が注力すべきは、1と2のような高度なコミュニケーションスキルと分析・計画能力が求められる部分です。これらのスキルは、ケアマネとしての価値を最も発揮できる領域であり、専門的な知識と経験が必要とされます。対人関係の微妙なニュアンスを理解し、適切な介護プランを作成する能力は、人間にしかできない重要な役割です。

書類作成は大事な仕事!だが

一方、3の事務処理的な作業について。
この領域の仕事は日々発生し、じわじわと時間や労力を削られるやっかいなものです。ケアマネの仕事は特に記録する場面が多く、
「(デイサービスから電話)○○さん体調不良で休みです」
「(訪問看護から電話)△△さんの来週の訪問、本人さん都合で1時間ずらしたいそうですが」
といった連絡を受ければ介護支援経過記録に記載。またサービス変更があればアセスメントして課題整理してケアプラン修正して…と色々な書類を作ることになります。

事務作業は、ケアマネの仕事ではとても重要です。しかし「動くほど記録作業や書類作成が増えてしまう」という業務構造は、利用者の状態や要望の変化に迅速に対応する際の阻害要因になりかねない…という危惧を抱いています。
「ケアマネならそれくらいこなせないと」
というご意見もあるかと思いますが、タスク管理や時間配分の苦手な方、そもそも忙しすぎて時間が足りない方と様々なケースが考えられます。
支援の中でサービス追加した方がいいかな?と思う場面で「でもアセスメントしてプラン修正して担会調整して…今月忙しいのに」という気持ちがよぎって二の足を踏む、という場面を経験したことは無いでしょうか?
事務作業の業務量が大きいという要因で、利用者の利便性を損なうようでは本末転倒です。

とは言っても、どうすれば…?

数十人の利用者を担当して日々の業務をこなし、何年か経つと、いくつかの業務パターンが見えてくるかと思います。その中で

  • 聞いた内容をそのまま写すだけの業務

  • 記録や利用者情報をコピペして書類を作るだけの業務

  • 同じ思考パターンで書類を作れば問題ない業務

といった「第3者に教えれば出来るような、手間は掛からないけど繰り返し発生する業務」というものが、大なり小なり見つけられるのではないでしょうか。

そのような業務は他人に任せてしまえばいいのです!

…誰にさせるのよ?! と思われますよね。他のケアマネも同じように忙しいですし、事務員を雇う余裕など無い所がほとんどだと思います。

ほら、仕事をしている時に毎日にらめっこしている四角いの。
PCにやってもらいましょう
数年前だと、プログラミング言語を習得するか、高いお金を払って外注するしかなかった業務の自動化ですが、比較的簡単に作る事ができるようになりました。しかも無料です!
それに、この1年ほど凄い勢いで能力を伸ばしているAI。こいつはかなり色々な事を知っており、ケアマネ業務においては文章作成やアイデア出しの際にかなりの力になります。これも昨日、ChatGPTの強力なモデルが無料で使えるようになりました。これを使わない手はないです!

今後の記事で、具体的にどのような場面で自動化が図れるか、業務にAIを導入すると作業が捗るのかについて書いていきます。


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