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pwp15 ダブルクリック

念願のシャープペンシル、pwp15を入手したのでスペックや使用感について綴っていく。

・pwp15について

ぺんてるが発売していたダブルノックシャーペンである。
ぺんてるではダブルノック機構をダブルプッシュ又はダブルクリックと呼んでおり、型番のwpはダブルプッシュの略となっている。

定価は1200円。80年代のバブル真っ只中に生産されていた高品質な製図用シャープだ。
現代の物価だと確実に1200円での生産は厳しいであろう性能である。

また同社PMGが定価1300円であったこと、パイロットのハイメカ100Xが一般普及用であったことから、pwp15は低価格帯であり一般普及を狙っていたモデルと推測できる。

また海外版として刻印のみが違うPSD5も存在する。

米国の当時のカタログには80年から記載され、85年に最終確認されている。90年のカタログには記載がなかったため85年〜90年の間に廃番になっていると考えられる。
紹介する個体は81年9月生産のものであった。

シャー坊氏(@mpdokokai)のTwitterより引用
当時pwpが記載されていた雑誌の一部

・仕様

前述した通りダブルノック式の製図用シャーペンであり、4mmガイドパイプを搭載している。
デザインは全体的にガッチリとしていて大型な印象を受ける。

つぶつぶが癖になる‼️

このペンの最大の特徴とも言えるのは質の良いローレットグリップ。恐らく真鍮に梨地メッキとなっており、均一で握りやすい。
グリップ感としてはパイロットS10をザラザラとさせた感覚に思える。個人の感想だが。

ペン先の視界は良く、また口金のブレは皆無である。
固定式口金と思えるほどの精度であった。

エロいです。

このペンでの1番の評価できるポイントである金属製ネジ切り。軸割れの危険性を孕むハイメカホルダーは樹脂のネジ切りであり、金属であることはpwp15の大きなアドバンテージだと思える。

堅牢

分解。
バネは大型だかテンションは弱く、ノックのクリック感は軽くカチッとしている。
また内部機構は恐らく全金属製であり信頼出来る物となっている。

クリップはPGXにも搭載されている汎用Yクリップ。
硬度表示窓は軸と一体となっている。

ノック部周りも秀逸な見た目となっている。
キャップから段々と樹脂軸へと繋がるデザインが極めてかっこいい。

・使用感

前述の通りダブルノックのテンションは軽く、プッシュという表現が正しいようなノック感である。(個体差がある模様)
また芯繰り出しノックはカチカチとしっかりしておりさすがぺんてるといったところ。

ペン先のブレも皆無なため書き心地もガタツキがなく優秀である。

・H2005と軽く比較

同年代のダブルノック式製図用シャープであるハイメカホルダー2005と軽く比較する。
両者個体差の大きいペンであるため一概に語れないのはご了承いただきたい。

・ダブルノック

ハイメカはガチっとテンションが強い。
pwpの方はテンションは弱めのため少量の力でノックできると感じた。

・芯繰り出し

ハイメカの芯繰り出しはニュッニュッと柔らかい感覚だがpwpはカチカチとしている。
個人的にはpwpの方が筆記するにあたって優秀だと感じた。

・機構

ハイメカホルダーの機構はカムが複数あったりと複雑であり凝っているがpwpは単純な仕様である。またテンションが強くネジ切りが樹脂のハイメカは軸割れを引き起こすが、テンションの弱くネジ切りが金属のpwpは軸割れの危険性は極めて低いと言える。

・ペン先の精度

個体差はあるが両者ともぐらつきは無く、満足に筆記できるガタツキの少なさである。

・総合的評価

軽くノックでき、軸割れの危険性もなく使えるpwpが自分の中では使いやすいと感じた。
ハイメカももちろん使いやすいがやはり軸割れは怖くて仕方がない^^;

・最後に

機構・使用感共に優秀であり、満足感も高く実用にも向いている素晴らしいシャーペンだ。

いかんせん相場が高いため手が出しづらかったが入手することができて本当に幸せ。幸せだ!

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