フルーツバスケット
名前だけ知っていた有名な漫画「フルーツバスケット」。
全話無料公開というありがたすぎるこの機会に読んでみた。
休日2日で全23巻136話を読み終えた。
結論:最高だった
もうこれに尽きる。ネタバレを多分に含みますので、未読の方はどうかこの記事を読まぬまま漫画を読んでいただきたい。
とにかく良かったという感情を残しておくために書きなぐります。
漫画のテーマと描写について
まずこの漫画、途中から感じていたテーマとしては「変化」なのかなと。
それは良い意味の「変化」。
新しく変わっていくことへの葛藤や、恐怖や戸惑いなどが、本当に丁寧に丁寧に丁寧に、描かれていました。
本当に、丁寧過ぎるんじゃないかってくらい。
しかもそれが、こんなにたくさんの登場人物が出てくるにも関わらず、誰も置き去りにしないで描ききられているんです。
本当にすごかった。話のまとまり方が尋常じゃない。
何一つ無駄な部分もなくて、全ての話が必要で、そして切り取る部分も最も適切だったような心地良さなのです。
ひとつ、途中から気になっていたのは、透が母親に対して持っていた「蓋を開けてはいけない」というような、引きずり込まれそうな感情が、どこかで溢れ出してしまうときがあるのじゃないかと心配していたのですが、杞憂に終わりました。
チョークのシーン
この漫画、全編を通して1番印象に残ったシーンは、由希がチョークを折るシーン(18巻102話)です。
そもそも由希が、「真知が新雪に足跡をつけて歩いていた」という話から、新しい完璧なものが苦手なのだということに気付くことがすごいと思いました。
そしてその上で、本人にきちんと聞いて確かめて、後日真知の前に現れた新品のチョークの箱を、横にいた由希が何事もないかのように1本折るんです。
雷が落ちました。
もうこの漫画絶対最後まで読むと心に誓った瞬間です。
夾と透
もう1箇所!でも場所がどこだったか思い出せず…!!!
夾が透に対して「かっ(わいいんだよなあ)」と悶えていたところが本当にたまらなくてたまらなくてちょっと読み返して見つけ出さねば。
この2人は本当に良かった…。
本来物語としては由希と透がくっつくのが王道的な話なのかもしれませんが、夾と透がくっつくのが1番自然に見えて、他にも通るに対して特別な思いを感じていた人は色々いたようだけれど、この2人がお互いを選んだという結果も含めて本当にとても良かったです!
親子関係
よそ様でちらっと見かけた感想に「このお話は恋愛よりも親子関係についての方が大きなテーマだったのでは」というようなことが書かれていて、たしかに!と思いました。
もちろんたくさんの恋愛も描かれていますが、たしかに、十二支だからこその葛藤や親から子に対する愛情の注ぎ方、親自体の人間の未熟さや戸惑いがとにかくたくさん詰め込まれていて、そのあたりは読んでいて辛いところもたくさんあったけど、たしかに、自分の子どもが「普通」と違うとなれば、親だって混乱するだろうと。
十二支の親は「過保護」か「拒絶」かのどちらかだ、というのもとても納得でした。
その上で、子どもたち(十二支たち)が親との関係性を乗り越えようとするほど、乗り越えられるほどに成長して強くなって行く過程もまた立派で、その全てに関わっている透のこともまたより一層好きにならざるを得ないんです。
ちょっと読み返し
そして読み返していたら、もしかして1巻冒頭で紫呉が「あそこ(テントの当たり)危ないよ。崖の土ゆるいし」発言をしていたのは、透の足元の崖が崩れたところへ繋がるのではないかと…。
これが伏線だったならすごすぎる。
めちゃくちゃ仕込まれている。
最初の読み始めはよくある同居話か〜、十二支なんてファンタジーだな〜くらいの気持ちだった自分を正座して説き伏せたいです。
とにかくこの物語に出会えて本当に良かった!
一人一人について語ったらもうまだまだ全然足りないほどで、本当にこれが23巻に収まっていることも信じられないくらいのボリュームでした。
いつか丸ごと抱えて一日中語り合ってみたいです。
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