見出し画像

あいか奥様ストーリー④

その日、俺の店は定休日だった。
いつもなら定休日でも俺は忙しくしている。仕入れや仕込みをしなくてはならないからだ。
しかしこの日は事情が違った。仕事などしている暇はない。なぜなら今日は、あいかちゃんの出勤日なのだ。
実はあいかちゃんはレア出勤で、いつでもおいそれと会える訳ではないのだ。
だから俺は店のホームページを見て、あいかちゃんの出勤日を常にチェックしている。そして今日、あいかちゃんがお店に来ているのだ。仕入れなどやっている場合ではない。
俺は午後一で予約を取ることができた。昼過ぎにはあいかちゃんに会える。久しぶりの再会に俺の胸とムスコの鼓動は高まった。
妻に午後から出掛けてくる旨を伝えると、そっけなく返事を返された。その後の妻はどこかウキウキした様子だった。もしかしたら間男と交尾する算段を企てているのかもしれない。
だが今となっては間男と妻には感謝している。彼らのおかげで俺は、罪悪感を覚えることなくあいかちゃんと会うことができるのだから。
俺はシャワーを念入りに浴び身だしなみを整え、鼻歌を歌いながらあいかちゃんとの待ち合わせの駅へ向かった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?