はな奥様ストーリー【3】
3:
待ち合わせ場所に現れた女性は、期待以上に可愛らしく、そして落ち着いた雰囲気の美人妻。
やった、と心の中でガッツポーズをとる。
「はじめまして、”はな”です。今日はありがとうございます、よろしくお願いします」
「こちらこそ。すごい綺麗な方が来て、嬉しいですよ」
「本当ですか? よかった、お会いできて嬉しいです……!」
紳士ぶってみたが、綺麗な女性とのやりとりに舌が震えそうである。今日は冬にしては暖かいからか、服の露出も多めな気がした。
ともかく、少しはにかむ様子も、おっとりとしたテンポも良い。リラックスしていく自分がいる。
そんな女性とこれからホテルに向かうのである。ギャップと期待感に心臓がどくどくとうるさい。
ああ、妻と二人で行く買い出しなんて比にならない。
デート、それどころか密会だ。なんとも言えない充実感に指先まで痺れる。
なんてことない会話も、
(嬉しい……楽しいな。本当に……)
明るく盛り上げてくれる彼女の笑顔で、元気をもらった。
そうして舞い上がっているうちに、いつの間にかホテルに到着していた。飲み物が欲しいか彼女に聞いて、自販機で買ったものを手渡す。
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