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内緒の関係かすみ奥様ストーリー⑥

ホテルに行く、と決めて歩き出すと、互いの間に流れる空気も先ほどまでとは変わったものになった。
 世間話をした甲斐はあったのか、甘い空気もかなり自然なものになっているように思う。
「かすみさんは何が得意なんだっけ」
 あえて聞こえるギリギリまで声量を落し、秘めるべきことを口にしているという雰囲気を作りながら、私はそう尋ねた。
 かすみさんにそれは余すことなく伝わったのか、周りを気にして恥じらいつつも、真摯に応えてくれる。
「……フェラチオとか、乳首舐めとか、です」
「ああ、そうだったね。その口でどれほど気持ちよくしてくれるのか、楽しみだなぁ」
 そう言って喋る彼女の口元に注目する。
 小さな口だ。とても男性のそれを咥え込むようには見えないけれど、彼女の得意はそれだという。
 見られていることに気付いたのか、かすみさんは口を気にする素振りを見せた。
「……そんなに見ても、涎垂らしたりはしてないですよ?」
「想像で涎垂らしたりって実際あるの?」
 純粋な疑問でそう問いかけると、かすみさんは控えめに笑った。
「それは……ひみつ、ですっ」
 茶目っ気たっぷりな彼女の返答に、私はかえって興奮してしまった。

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