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こはる奥様ストーリー【2】


 三十歳も半ばが見えて来たけれど、特にこれといった夢も目標もなく、日々事務仕事をこなす毎日。
 特にそれを不満に思ったこともなく、特段自分だけの家族が欲しいと思ったこともなく。
 仕事のストレスで溜まった欲求不満をオナニーやデリヘルで解消するのが唯一の楽しみだった。
 サービスの一環であり、ひと時の夢だということをきちんとわきまえていれば、普通なら会うことも出来ないような美人若妻との逢瀬を楽しめるのだから、実に楽しみがいがあるものだ。
 そんな中でも、自分と相性がいい相手と出会うことが出来たなら、それに越したことはない。
 そういう意味で、今回のこはるさんは当たりだった。
「先週の回は作画が凄かったねぇ。感動しちゃった」
「ほんとほんと。元々定評のある制作会社ではあるけれど……最近は特に力入ってるというか」
 僕はアニメは趣味、ってほどではないが、話題作や人気作には一通り目を通していた。
 こはるさんはそういうのに詳しく、ホテルまでの道のりでそんな雑談をしていれば、初対面の緊張も解けて来ていた。
「そういうの詳しいんだね」
「ネトフリでよく見るから……旅行も好きだけどね。ついつい旅行先でも見ちゃったり、ね」
 そう朗らかに笑うこはるさんは、とても可愛らしかった。

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