内緒の関係 しょう奥様のストーリー④
しょうさんと街中を歩きながら、俺は他愛もない世間話をまずは楽しむ。
彼女と何の工夫も捻りもない話をしているだけで俺は癒されていた。
仕事の時はとにかく雑談ひとつにも注意を払っているから、この無駄で適当な世間話だけでとても癒されるのだ。
「いつもオチのない話で済まないね」
関西人はオチのない話を好まない。
そんなこてこての関西人あるあるを振ったら、しょうさんは苦笑を浮かべた。
「関西人皆が皆、話にオチを求めてるわけじゃないんよ? ……いや、求めてる人のが多いんは事実かなぁ」
しみじみと呟くしょうさん。間の抜けた話題にも真面目に取り合ってくれるのがすごく嬉しいし、楽しい。
俺はしょうさんとの会話を楽しみつつ、とびっこのスイッチをかちりと入れた。
このタイミングで来ると思ってなかったのか、しょうさんの肩がぴくっと小さく跳ねる。
しっかり俺の腕に体を密着してきてくれた。
眉が八の字になって、困り顔になっている。
「今日は、えらい、いじわるやん……」
そんな風に感じさせてしまうほど、今日の俺はストレスが溜まっているのかもしれない。
「いやぁ、ごめんごめん。つい……」
謝りながら、俺はとびっこのスイッチを『強』にするのだった。
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