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『セックス・エデュケーション』シーズン3 E4 挿入歌

Episode4の挿入歌一覧です。

1、『Don’t Sweat The Technique』/ Eric B. & Rankin (1992)

オープニングの一曲。ルビーの友人、アンワルとオリビアのそれぞれの相手とのベッドシーン。それぞれが盛り上がるなかで懸念が。オリビアは「生で挿れていい?」と問われ、アンワルは行為後になぜか顔が腫れ上がる。(今更だがこのドラマはオープニングで各回の問題提起まずみせるという構成)

一度は耳にしたことのあるこの曲、サンプリング元はoung-Holt Unlimitedの「Queen of Nile」。歌詞内容とは厳密には関わりがないが、ウッドベースとサックスのアダルティな雰囲気とオープニングの様子がマッチしている。テクにビビんな。

2、『So Much Love To Do』 / Scout Niblett (2001)

アイザックからメールで夕食に誘われたメイヴはOKと返事をする。留学のこと、妹と母親のことが気がかりなメイヴはそのまま寝落ちる。

 タイトルにもあるが、「Ah, there's so much love to do」と歌われる。やりたいことがたくさんあるという、恋愛ばかりにかまけていられないメイヴの心情だろうか。母親と自分を重ねた歌詞内容でもある気がする。スカウト・ニブレットに関する日本の記事もなかなか少ないが、すぐ出てくるのはこれくらいか→(ele-king記事

3、『Stormy Weather』 / Etta James (1960)

ヤコブに関してストレスを抱えるジーンは、モーリーンに諭される。そのまま、意気揚々とツリーハウス——ジーンのストレス爆発のきっかけである——をつくるヤコブのシーンへ。ヤコブは、ジーンの昔の指輪を発見する。

 1933年に最初に録音されたこの曲は、同名の映画が公開されたことで有名になる。ここで使われているのはエタ・ジェイムズのバージョン。和訳はこちらを参照させていただいた(MAGICTRAINミュージックブログ)。
 恋愛と人生のうまくいかなさを天候に例えて歌う。「昔の恋」を思い出すようなオールドなメロディーに合わせて、ジーンの過去がほじくりだされるわけである。

4、『Tu Nunca Sabes(Mescla Ragga Mambo)』/ Angel And The Mambokats (2009

モーリーンと再開したグロフ元校長は、コリンの家でタコスを貪り食べる。モーリーンとやりなおせる可能性に心を踊らせ、料理を楽しむ。

 トラッドな曲なのかと思いきや、現在活躍中のバンド、Angel And The Mambokatsの曲。日本では当然紹介が皆無。サンクラのページには、「あなたも踊りたくなるはず」みたいなことが書いてあって、確かに、と思う。 
soundcloud 

5、『Mysterious Power』 / Ezra Furman & The Harpoons (2011)

セックス・エデュケーションの音楽を担当するエズラの一曲。モーリーンから、新しい恋人がいると告げられたグロフ。彼は率直に悲しみを覚える。そのまま帰ろうとした時に、息子であるアダムと目があうも、なにも言わずにその場を去る。

 英語力のなさから歌詞の内容をつかみとれてはいないのだが(エズラの歌詞はかなり抽象的かつ象徴的だなと感じる。それがすごく良いんだけど)、窓辺に立つ、という歌詞はそのままアダムの立ち位置と同じ。「僕は部屋の中にいるただの男なんだけど、不思議な力を感じてる」このあたりのポジティブな内容はあまりシーンとは関係ないのかも?「呼びたいんだけど連絡手段がない」このあたりの断絶が、グロフとモーリーン、グロフとアダム、そして次のシーンに出てくるエリックとアダムの関係をも包み込む。

6、『Shake Body』 / Skales (2014)

エリックは自室で音楽をかけ、ノリノリになりながらナイジェリアで過ごすための服を選ぶ。

Skalesはエリックのルーツであるナイジェリア出身のラッパー。エリックのダンスも見事。シーズン3はナイジェリアの曲もたくさん流れます。

7、『La Ballade Des Gens Heureux』 / Gérard Lenorman (1978)

エンディング曲。フランスへの修学旅行へ向かう朝。キャルは校長への反発を続け、それに味方するジャクソンと、ヴィヴィアンの間には溝が。アダムの悩み、そしてラヒームとの関係、オーティスとルビーとメイヴらの関係、それらが登場人物の視線によって語られる。フラグが立ちまくりの中、バスは出発する。

 和訳はこちらを参照させていただいた(朝倉ノニーの<歌物語>)。ジェラール・ルノルマンはシャンソンの作曲も歌唱も行うミュージシャンである。フランス!感を出しつつ、この牧歌的な「しあわせのバラード」で不穏な人間関係を皮肉っている。嵐の前の静けさ。

ep4は挿入歌の年代も国もばらけてて面白いですね。ep5に続く!

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