【ブックレビュー】疲れた人に夜食を届ける出前店｜中山有香里

１　作品情報

本日レビューする作品はこちらの一冊。

中山有香里｜疲れた人に夜食を届ける出前店（KADOKAWA）

疲れた人に夜食を届ける出前店 (コミックエッセイ)

２　こんな人におすすめ！

• 仕事や学校で日々「疲れた・・・」という気持ちを抱えている人

• 硬い文章を読むことに少し抵抗がある人

• たまには誰かが作ってくれたご飯を食べたいなぁ・・・と思っている人

• 何だか突然頑張れなくなってしまって、そんな自分のことをちょっとだけ責めてしまっている人

３　この本のここが好き！

①優しくて暖かい気持ちになれる優しい絵が盛りだくさん

中山さんの描かれる絵は本当に可愛くて、そしてとても美味しそう。

この本ではたくさんの短いお話が描かれており、登場するキャラクターも、人間だけでなくクマやゴリラ、鮭（！）など様々。そしてその一人一人がとってもチャーミングなんです！

さらに、この本のメインである「料理」。この絵が本当に美味しそう。

表紙のイラストから、もうすでにお腹が鳴ってしまいそう。
ふっくら炊けたお米で握られたおにぎり。プリッとツヤっとはちきれんばかりのウインナー。焼き目のついた卵焼きをみると、思わず母の後ろ姿が思い浮かびます。

もちろん表紙だけでなく、本編に出てくる全ての料理がとにかくおいしそう！！
絵を見るだけで、「誰かにご飯を作ってもらっちゃった！」という多幸感でいっぱいになれます！

②再現可能な等身大のレシピ

本書で出てくる料理には、全てレシピがついています。このレシピが難しすぎないところがこの本の２つ目の魅力です！

物語に出てきた料理のレシピが掲載されていること自体は、そう珍しくないと思います。だけど、この本のいいところは「作ってみようと思えば比較的簡単に作れる」、そんなレシピがたくさんあること。

それに加えて、この本にはジャンキーで背徳感たっぷりなお料理も登場します。これがまた魅力的なんです。

人間誰しも、ガツン！とカロリーを摂取したい気分になる時は必ずあります。いつもいつも体にいい健康的な食生活を送れるわけではない。

そんな等身大の「私たち」の気持ちに寄り添って、それを受け入れてくれる。この本には、そんな魅力もあります。

③あまりにも「人間的」なキャラクター

①で少し紹介したように、この本にはたくさんのキャラクターが登場します。

その一人一人が（人間ではないキャラクターも含め）、めちゃくちゃ人間的。ちょっとお節介だったり、細かいことは気にしない大雑把さがあったり、悪いとわかってることもあえてしちゃったり・・・。

そして、一つ一つの短いお話が緩やかにつながって展開していきます。そこでのキャラクターの心や行動の変化がまたグッときて。

半分くらいまでは「お料理紹介してくれるほっこり系のコミックエッセイだなぁ」と油断してしまうのですが、意外と深いです。

個人的にはこのキャラクターの「人間らしさ」がこの本の一番の魅力だと思っています！

この本は、Kindle Unlimited の会員の方は無料で読むことができます（2023年4月27日現在）。

私のnoteをフォローしてくださっている方には特にお勧めしたい一冊です！気になった方は是非読んでみてください！感想をコメントしてくださったら嬉しいです🌸