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『鈍行旅日記』 上映・展示のお知らせー予告篇にかえて

上映と展示のお知らせ

昨年、鈍行列車で三週間ほどかけて三里塚、広島、水俣などをめぐった旅行の日記「鈍行旅日記」の朗読と、旅先で撮ったiPhoneの映像によるエッセイ映画『鈍行旅日記』を、3がつ11にちをわすれないためにセンターの上映会「星空と路」で上映します。
現在、予告篇代わりに映画の冒頭10分間を公開しています。

星空と路(2023)
日時:3月12日(日)16:00〜17:30
場所:せんだいメディアテーク7fスタジオシアター
無料・予約不要

また「星空と路」では、上映とあわせてメディアテーク1fで展示もおこないます。そちらでは会期中、映像に加えて旅日記のテキストや関連資料も展示されます。

[展示]
3月8日(水)〜3月12日(日)10:00-18:00 
せんだいメディアテーク1f オープンスクエア

以下、展示と上映についてのステートメント(的なもの)を転記します。

「鈍行旅日記」について (福原悠介)

2022年の6月16日から三週間ほど、鈍行列車で九州まで旅行をしました。

仙台から福島、空港建設反対闘争のあった三里塚、広島、水俣病の発生した水俣・新潟など、かつて大きな出来事の起こった場所を巡りながら、今この時の視点から土地と記録の関係を考えてみようと思ったことが、旅をした理由のひとつでした。

ここでは、旅行中につけていた「鈍行旅日記」と、iPhoneで撮った映像と日記の朗読からなるエッセイ映画『鈍行旅日記』を中心に展示しています。

震災後の仙台で私は(特にわすれン!を通じて)「記録」というかたちで土地や人と関わろうとする人々と出会いました。
何をどう記録すべきなのか、かつてない状況のなか問い続け、対話し、試行錯誤する彼ら・彼女らの姿には、それまで私が、映画やアートの世界で目の当たりにしたことのなかった「切実さ」がありました。

2018年からは、自分もわすれン!の参加者になって『飯舘村に帰る』という映像作品を作りました。身近な人や場所についてのドキュメンタリー映画を撮るようにもなりました。
本というかたちですが、閉館した仙台の映画館の記録「セントラル劇場でみた一本の映画」を作ったりもしました(それもまた今回の旅の動機のひとつになっています)。

震災から10年以上が経って、記録はこれからどう変化していくのか、これからの人々にどのように受け取られていくのか。あるいはそもそも記録とは、土地とは何か。

その問いに直接答える力は私にはありませんが、日記、シネ・エッセイという、弱く、開かれた形式のなかで、震災後の仙台で出会った彼ら・彼女らから受け取ったものが何だったのかについて思いを馳せてみた「記録についての記録」が、この『鈍行旅日記』です。

作品情報

『鈍行旅日記』
2023/60分(予定)
監督・撮影・編集:福原悠介
朗読:佐藤ゆか、皆木大知
音楽:皆木大知
制作:ペトラ

↑『鈍行旅日記』予告篇(冒頭の10分間)


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