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誰も排除しない、みんなのための公園デザイン。インクルーシブな遊び場という考え方。

いつでも、だれでも、受け入れてくれて、自由に遊べる。それが公園の良さだと思っているのですが、世界には本当にいろいろな人たちのために、よく考えられた公園や遊び場があるのですね。

遊び場のユニバーサルデザイン

たとえば、身体の一部が不自由だったり、特別な配慮が必要だったりで、普通の子どもたちと同じように走り回ったりして遊ぶことが難しい子どもたちにも、やさしいデザインの遊び場。そんなユニバーサルデザインな公園づくりが進んでいることを、この間教えてもらいました。

「インクルーシブ公園」とか「インクルーシブプレイグラウンド」と言われています。英語で「inclusive playground」=包括的な遊び場。排除しない遊び場。

欧米では、どんな子どもでも遊べるユニバーサルデザインの視点を取り入れた公園づくりが広がっています。ユニバーサルデザインとは、1980年代にアメリカのロナルド・メイス博士が提唱した、年齢や性別、文化、言語、障がいの有無などに関わらず、どんな人でも利用できるデザインを指したものですが、公園のアクセシビリティが着実に改善され、企業やNPOの協力を得ながらよりよい遊び場づくりが進められています。近年は、欧米だけでなくシンガポールや香港などのアジア諸国でもこういったユニバーサルデザインを採用した、インクルーシブ公園が増えていますね。

車椅子や歩行器を使ったまま遊べる遊具や、誰もがひとやすみしやすいベンチ、ケガをしにくい地面舗装、わかりやすい色彩でゾーン分けされた段差のない平面。障害のある子のために特別につくられた、というよりは、誰もが楽しく遊べるための工夫がされた、みんなが一緒に遊べる場。年齢や身体能力、属性や文化的背景に関係なく、誰もが楽しめる遊び場。

上の記事の後編でも詳細が紹介されていますが、そんなユニバーサルデザインを取り入れた遊び場の整備が進んでいて、東京での第一号が、今年の3月に世田谷の砧公園にオープンし、話題になっているとか。

市民の声から始まった、台湾の公園革命

そんなインクルーシブな公園づくりは、台湾でも進んでいるとのこと!

2020年2月現在、台北市には34のインクルーシブ遊戯場がある。今後2年の間に、さらに25の公園を整備し、59まで増やす予定だという。

台湾の事例で面白いと思ったのは、公園を整備するときに、「インクルーシブな遊び場であること」ととも「地域の特色を生かした公園であること」を大切にしている点。

古くなったり、安全基準を満たさなくなった遊具を撤去して、どこも同じような遊具をポンと置くのではなく、その地域のニーズや実情に合わせた再整備を進めていること。楽しくて、スリルがあって、ここに来たい!またここで遊びたい!と思う、みんなの愛があふれる公園づくり。

そして、そのはじまりは、公園利用者である住民の声からだったこと。公園環境の改悪に抗議の声を上げた家族たちは、海外の事例などを学びどうすべきか提案し、それに行政がきちんと答えていった。ひとつひとつの公園にオリジナル性を持たせる整備は大変だけど、いろいろな人が協力しあって、実現しているのは素晴らしい。

みんなの声が、未来になる

都立砧公園の「みんなのひろば」でも、スペシャルニーズをもつ親子にヒアリングを重ねてつくられたという。様々な事情は、本人にしか分からないことが多い。こんなのあったら助かる。こんなことに困ってる。かなり解像度高く寄り添っていないと、あまりにも知らないことが多い。言語化してみると、気づいていなかっただけで、実は同じ困りごとを抱えていたという人もいたりする。知らなければ、思いもつかなかった不便が、見えていなかったハードルが、結構たくさんある。そしてデザインで解決していけることも、きっと多い。知ることは、優しさへの第一歩なのかもしれない。

インクルーシブな遊び場が増えたら、きっといい。これまで公園に行けなかった子も、気軽に遊びに行ける日常になっていったら、もっといい。いろいろな人が、お互いを理解したり、思いやったりする社会になっていったら、その芽を育む場になっていったら、すごくいい。

公園の設備や遊具などのハード面の変化は大きいけれど、それを運用したり、うまく機能させていくためのソフトも重要。みんながどうやって気持ちよく遊ぶか?を考えることは、インクルーシブなハードの整備を待たずとも、今日からでもできるかもしれない。

地域の人が、自分たちの地域の公園を愛して活動している公園愛護会。もしかしたら、こういうインクルーシブな遊び場づくりにも、公園愛護会が良い役割を担っていくのかもしれない。もうどこかで始まってるかも。

一部の人たちにとっては、既に当たり前の内容かもしれないけれど、私はまずは、みんなが一緒に遊んで育っていこうという、誰も排除しない遊び場の考え方がステキだし、1人でも多くの人に広がったらいいなと思って、このnoteを書いてみました。

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