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日記1214‐ぺらぺら‐

肌に当たる冷気を感じながらバスを待っている間とか、トイレの順番待ちをしている間とか。

特に目的もなくSNSを開いて、何も考えずに更新して、誰かの断片を摂取して中毒になりそうになりながら、アプリを順繰りに開いていく。

虚無の中の虚無みたいな時間。

暇さえあれば文庫本を開いてワクワクしていた、制服を着た私が、ランドセルを背負った私が、こちらを見ている気がする。

だいぶん前から、ほとんど本名でやっているTwitterもInstagramも、投稿する頻度がめっきり減ってしまった。最近必要に駆られてはじめたFacebookも、なにを投稿したらいいのかわからない。

更新して流れてくるだれかの投稿を見て、たまにいいねをつけて、また更新。

投稿することが減ってしまったのは、自分のことを薄いと感じているからだ。薄っぺらいぺらぺら。
ぺらぺらの自分に顕示欲なんて湧かないし、誰かに知ってもらいたいこともない。

ぺらぺらの私の考えていることなんて誰が読みたいんだろう。ぺらぺらの私の心に響いた写真なんて、誰が興味を持ってくれるのか。

私はもう少し、私を厚くしたい。
ぺらぺらから脱却したい。

テスト勉強でてんてこまいになっていて、勉強の合間に見たいわけでもないSNSを開いて更新している間にふと思った。

テストのための知識ばかり詰め込んで、もちろん知識も本当に大切なんだけれど、それ以上に大切な私自体を厚くしたい。

だから本を読むことにした。
だからって、なんだかすごく安直だけど、今はそれしか思いつかなくて。

誰かと会って話したりするのも、違う。
知っている人に会っても知らない人に会っても、そこから何かを得られるとしても、ぺらぺらの恐怖がどうしてもついてくる。ぺらぺらな私と、誰が話したいと思うんだろう?

本を一冊読み終えたら、紙一枚分くらいは厚くなれるかな。

本当は、何かに頼って自分を変えようとすることは、間違っているのかもしれない。もっと自分と向き合って、自分と喧嘩しないといけないのかもしれない。読書は喧嘩に入りますか。入らないかな。

読もうと思っている本は、とても好きな作家さんの本。
くじらの表紙。夜みたいな宇宙みたいな色。

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