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栄養素の基礎 その1 タンパク質、脂質、炭水化物
はじめに
これまでいろいろな記事で、よいペットフードとは「あなたのねこさん・わんちゃんが、できるかぎりよい健康状態でいられるフード」だということを解説してきました。
では具体的には、どんな中身のフードがあなたのねこさん・わんちゃんにとってよいフードなのでしょうか?
それは、あなたのねこさん・わんちゃんが必要としている「栄養素」が過不足なく含まれているフードです。
「栄養バランスがあなたのねこさん・わんちゃんに合っているフード」と言うこともできます。
個々のねこさん・わんちゃんには必ず個体差があります。そして個体差のために、必要な栄養素の量がそれぞれのねこさん・わんちゃんによって違います。
例えば、長毛の品種や毛が伸び続ける品種のねこさん・わんちゃんは、毛を作るための栄養素が他の品種のねこさん・わんちゃんよりも多く必要です。
逆に、毛が生えていない、あるいは毛がほとんど生えていない品種のねこさん・わんちゃんは、毛を作るための栄養素は少なくても大丈夫ですが、体温を保つためにエネルギーを多く消費しますから、エネルギー源となる栄養素を多く必要とします。
生物が必要とする栄養素の種類と量を「栄養要求」といいます。
栄養要求は生物の種類ごとにおおよそ決まっていますが、詳しくみると個体差があるために、個体ごとに少しずつ違います。
ですから、よいペットフードとは「あなたのねこさん・わんちゃんの栄養要求をみたすフード」と言うこともできます。
「なぜ生物には個体差があるのか」、「なぜ個体差によって栄養要求の違いがおこるのか」については、この講座の第8回に詳しく解説してあります。
(第8回はこちら)
今回は、これまでひとくくりにしてきた「栄養素」にはどんな種類があって、どんな働きをしているか、おさらいも含めて基礎的なところを解説します。
栄養素ってなんなの?
栄養素という言葉は普段からよく使う言葉ですが、それがどういうものか、あらためて確認しておきましょう。
栄養素とは、「生物が外界から食べ物などを通じて体内に取り込む、生きるために必要な物質」と定義されます。
ネコ・イヌや私たちヒトにあてはめてもっと簡単にいうと、
「生きるために食べたり飲んだりしなければいけない物質」
となります。
では栄養素にはどのようなものがあるか見ていきましょう。
5大栄養素+1
ペットフードには数十種類の栄養素が含まれていますが、それらの栄養素は、その構造や働きによって次の5つに分類されています。
タンパク質
脂質
炭水化物
ビタミン
ミネラル
これらは「5大栄養素」とよばれています。
どれもなじみのあるものですね。
ただ、さきほどの栄養素の定義である「生きるために食べたり飲んだりしなければいけない物質」にあてはまるものは、うえにあげた5大栄養素のほかにもあります。
それは
水
です。
水も生きるために必要な物質のひとつですよね。
ねこさん・わんちゃんの食生活を考えるときには、フードのことだけでなく、水分摂取についてもしっかり考えるようにしましょう。
栄養素の働きは大きく3つあります
先ほども書いたように、ペットフードには数十種類の栄養素が含まれています。それらの栄養素にはそれぞれに違った働きがありますが、まとめると次の3つになります。
![](https://assets.st-note.com/img/1691201009066-lsdYveMT9d.jpg?width=800)
では、どの栄養素がこの3つのうちどの働きをしているか、これから少しずつ解説していきますね。
栄養素はよっては1つだけでなく、2つ、あるいは3つの働きをもっています。
それでは5大栄養素と水について、もう少し詳しく解説していきます。
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