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【映画の中の詩】『ボディ・アンド・ソウル』(1947)

虎よ、虎よ!

ロバート・ロッセン監督。ジョン・ガーフィールド、リリー・パルマー主演。

『ロッキー』かな?のラストやローラースケートを履いた手持ちカメラで撮影した臨場感あふれる試合シーンなど、後のボクシング映画に大きな影響を与えた作品。
ボクシング映画として、フィルム・ノワールとして傑作の一本とされています。

また主演のガーフィールド、脚本のエイブラハム・ポロンスキーを始めとして、関係者がハリウッドに吹き荒れた〈レッドパージ〉に多数巻き込まれたことでも有名だそうです。

「虎」ウイリアム・ブレイク(土居光知訳)
虎よ、虎、輝き燃える、
夜の森のなかで、
どんな神の手、あるいは眼が
汝の怖ろしい均整をつくり得たのか。

どんな海や空のかなたに
汝の眼の炎が燃えていたのか
いかなる翼で神はあまがけり
いかなる手でその炎を捉えたのか。

いかなる腕、いかなる術で
汝の心臓の筋(すじ)を捻ったのか、
そして心臓の鼓動が始まったとき
いかなる怖ろしい手が汝の怖ろしい足を。
いかなる鎚(つち)で、また鎖で
いかなる鎔炉の中で汝の脳髄を鋳て、
いかなる鉄砧(かなしき)の上で鍛えたのか、
またいかなる怖ろしい指でその恐怖を握ったのか。

無数の星光の槍を投げつくし、
涙で空をうるおした時、
神はできあがった汝を見てほほえまれたのか、
仔羊をつくりし神が汝をつくったのか。

虎よ、虎、輝き燃える、
夜の森の中で。
どんな神の手、あるいは眼が
汝の怖ろしい均整をつくることを敢えてしたのか。

英米詩集 (青春の詩集 ; 外国篇 9)西脇順三郎編 白凰社

参考リンク
英米詩集 (青春の詩集 ; 外国篇 9) 「虎」ウィリアム・ブレイク(土居光知 訳)
Film Noir Board: BODY AND SOUL (1947) 
「BODY AND SOULのボクシング リングは  現実であると同時に寓話でもあり、残忍な職業と激しい社会闘争を結びつける戦場です。」
「視聴者はプロットの一部が曖昧になった後もずっとシーンを思い出す可能性があり、これは常に素晴らしいノワール映画の兆候です」
Wrap Shot: Body and Soul - The American Society of Cinematographers (en-US)




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