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No.38 2012年~2020年 社会科専科の授業 6年オリエンテーション「歴史ってなんだろう?」

 今回は6年生最初の授業、歴史に目を向けるスキルを手に入れるオリエンテーション「歴史ってなんだろう?」をご紹介致します。年間の毎時間の指導計画はNo.36を参照してください。
 6年生の子どもたちは歴史に関心があります。2011年以前の子どもたちのようすを見ていても感じていました。小学校の社会科で一番関心がある分野かもしれません(ちなみに、5年生の情報も関心がある分野かと感じていました)。
 今回ご紹介する「歴史ってなんだろう?」は「歴史は身近なものでもある」「歴史はこんなに長い」「西暦と元号、世紀」という歴史に目を向けるスキルを考える授業を意図しました。
第1の「歴史は身近なものである」は次のような構成です。
 「ひとりひとりに歴史はあるよ」と話します。4月の6年生だと11歳か12歳になります。
 「先生にも歴史があるよ」と3枚の写真を1枚ずつ見せていきます。
 最初は私が1歳の時の写真です。
 「可愛い」とか「女の子みたい」と声があがります。

 「1歳の時の記憶はないので、どうしてこの写真が1歳と分かったのでしょうか」と問いかけます。
 この写真の裏に父が1歳の時に写真を撮影したことが書かれていたのです。その記述を見せます。

「歴史にとって、記録をしておくことは大切だね」と投げかけます。
 
 2枚目は私が5年生ごろの写真です。11歳での写真です。
 「この写真は5年生ごろの写真です。記述がないので、確かではありません」と話します。

 3枚目の写真は大学2年生20歳の時のものです。この写真は伊豆の西海岸で写してもらったものです。
 「この写真は20歳の写真です。写した時の記憶がはっきりしています」と話します。
 当時の長髪に驚く子どもたち。「髪があったんだ」と子どもたちは大爆笑です。 

 「先生にもあなたたちにも歴史はあるんだよ。ここから歴史をスタートしよう」と話します。

第2の「歴史はこんなに長い」は次のような構成です。

 人類の歴史以前に次のような歴史があることを学びます。

 「人類以外にどんな歴史があるのだろう」と問いかけ
   宇宙の歴史 138億年
   地球の歴史  46億年
   生命の歴史  40億年
   哺乳類の歴史  2億年

 を学んでいきます。


 2015年度からは「歴史 宇宙の起源から学ぶ」(『朝日新聞』2015年3月13日朝刊)を配布し、「宇宙の始まりから現在に至る138億年をたどる『ビッグ・ヒストリー』が世界各地の高校で広がっている」ことを紙面から学びます。

 第3の「西暦と元号、世紀」は次のような構成です。
 「今年は何年ですか?」と聞きます。
 「2016年」「平成28年」
 「2018年」「平成30年」
 「2019年」「平成31年」「令和元年」
というように、西暦と元号で答えてくれます。
 2019年のような表記を西暦、平成31年・令和元年のような表記を元号と子どもたちは知っています。西暦はイエス・キリストの誕生を1年としていること。元号は645年の大化からつけられていることを「元号一覧」を配布して学びます。
 「日本だけに西暦と元号の二本(日本)立て」といういつものシャレは効果があったか分かりません。日本の子どもにとって、あるいは大人にとっても西暦と元号で歴史を追いかけるのは少し大変ですね。
 
 世紀については少し分かりづらいです。
「今は何世紀」と聞くと21世紀とすぐに答えます。
「1世紀は100年です。」「それでは21世紀は西暦何年から?」と聞くと「2000年から」との答えが多いです。「2001年から」という答えも少数ですがいます。正解は「2001年から」です。
 
 次のようにポイントを板書して解説をしていきます。
「イエス・キリストの誕生を1年として、それより前を紀元前(B.C)と表記します。英語のBefore Christの略で『キリストより前の』意味になります。キリストの誕生とされる1年から後を紀元後(A.D)と表記します。これはラテン語のAnno Dominiの略で『キリストの年に』の意味になります。」
 カトリック校の聖心ならではの授業になります。
 
「20世紀は西暦何年から何年までですか」と聞くと「1901年から2000年まで」と答えが返ってきます。
 世紀の仕組みが分かったあとで、金さん・銀さんの話をします。「確か銀さんは1892年に誕生し、2001年にお亡くなりになっています。ですから。銀さんは19世紀・20世紀・21世紀の3世紀にわたり生きてきたことになります。すごいことですね。」

 2015年度からは授業の終わりに、仏教・キリスト教・イスラム教の「知っておきたい3大宗教の基礎知識」(『アエラ』2015年3月23日発行、朝日新聞出版)を配布して、これからの歴史の授業で活用していくことを伝えます。

6年生の授業でも「チャイムがなったら終わる」が原則でした。

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