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No.10 1981年・2019年 初めて、そして最後の宿泊引率は清里清泉寮

 私は神奈川県に生まれ育ち、現在は東京都に住んでいます。家は多摩川の近くにあり、家でパソコンを操作していてふと見上げた時に見える景色は神奈川県です。ベランダに出ると私が通っていた小学校が見えます。校舎はだいぶ変わりましたが。
 大学生の時から本格的に旅行を始め、教師になってからは旅行やフィールドワークで全国各地を訪ねました。そんな中で最も多く訪ねたのが、山梨県清里の清泉寮でした。いろいろな機会に訪れましたので、おそらく100回ぐらいは行きました。ですから、私にとって山梨県は東京都、神奈川県に次いで滞在期間が3番目に長い場所ということになります。
 私が初めて清里を訪ねたのは大学4年生の時です。当時通学していた青山学院大学に清里の宿泊施設があり、ゼミの先生や仲間と宿泊し、その時清泉寮に行きましたが生憎の大雨。今は舗装されていますが、清泉寮前の清里への坂道は石が敷かれており、大きな石が雨に流されゴロゴロ転がっていました。清泉寮はキリスト教プロテスタントの聖公会の施設です。学校との関係では立教大学の施設があり、立教大学大学院に在籍している時にも行きました。
 聖心女子学院初等科の5年生と6年生は清泉寮に校外学習として宿泊しています。聖心はカトリックの学校ですが、カトリックに近いプロテスタント聖公会の施設を50年以上前から学習の場として使用させていただいているようです。
 1981年、聖心の初等科教師1年目の時です。3年生を担任していましたので校外学習の引率はない予定でした。7月の中頃に日程が入っていて、他の学年は夏休みでしたのでのんびり過ごそうと思っていました。ところが、引率予定の先生が体調をくずし、急遽私が代わりに引率する教員の一人になったのです。当時6年生の清里校外学習は4泊5日です。そして、現在のように往復チャーターしたバスではなく、往きは新宿に集合し特急あずさで甲府まで行き、チャーターしたバスで途中昇仙峡により清泉寮まで。帰りはチャーターしたバスで清泉寮から甲府まで行き、特急あずさで新宿まで帰り現地解散。その間遺跡の見学、何回かのハイキングが主な内容でした。仲間と訪れるのと違い、責任をもって宿泊引率することの大切さを教師になって4カ月で経験することができました。
 それから、5年生担任の8回、6年生担任の9回、5・6年生副担任の8回、清泉寮に引率しました。現在は日帰りで行っているようですが、90年代までは清泉寮に宿泊して実踏(現地に行って必要なことを調べる)もしていました。その他、清里環境教育フォーラム、主催している清里NIEフォーラム、大人の環境教育プログラムへの参加、家族での滞在等々。250泊ぐらいしているかもしれません。ある時期温泉がありましたので、真冬に家族で滞在したこともあります。露天風呂、マキの暖炉、ビーフシチューなどで楽しめました。
 現在の清里校外学習(3泊4日)のプログラムは、【5年生】1日目北杜市須玉町で田植え。2日目~3日目は清里での環境教育プログラム。【6年生】1日目須玉町で遺跡の発掘と遺跡の体験。2日目~3日目は清里での環境教育プログラム(5年生のプログラムの発展)。現在のプログラムの原形は、田植えが1985年の5年の校外学習から、遺跡の発掘は1984年の校外学習から、環境教育プログラムは1990年の6年生の校外学習から始めたものでした。どのプログラムも私が関わったものですが、環境教育プログラムについては保護者に経費が掛かることもあり、初等科の教師全員で1990年の秋に清泉寮に宿泊し環境教育プログラムを実際に体験してから正式に決定しました。また、初等科が3クラスになる少し前清泉寮に新館ができ、3クラスでの受け入れが可能になりました。本館・アンデレ・新館各1泊ずつ宿泊しています。それは、新館は広くきれいなため、そこに3泊することはせず公平に1泊ずつ部屋を変えることにしたのでした。この校外学習は卒業生と会って話をすると分かるのですが、いつまでも記憶に残っている楽しい思い出のようです。私にとっても楽しい思い出がたくさんあります。 2019年9月5日が校外学習宿泊最後の夜でした。リクレーションが終わった後に、子どもたちが私に「写真を一緒に撮りましょう」と声をかけてくれ全員での撮影ができました。私の校外学習最後の思い出になっています。子どもたちの笑顔が最高でした。
 2020年度、2021年度はコロナ禍で校外学習は全て中止したようです。
 体験することができなかった子どもたちがいつか清里の自然や清泉寮の雰囲気に触れることができればと望んでいます。 

清里の清泉寮と新館

参考
清泉寮ホームページ 聖心女子学院著『聖心の教育―女子校発の4・4・4制―』東洋館出版、201

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