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No.164 1981年~ 担任の期間 ゲームで学級経営

 小学校の教員免許を取得している期間や教師になってすぐの時期に、リクレーションを推進するグループの研究会に参加していました。そこでは、いろいろなゲームの方法を教えて頂きました。そこでのゲームの習得は担任をしている期間学級経営の1つとしてとても役立ちました。1981年に教師になり3年生を担任し、そこで早速ゲームを通しての学級経営を試みました。

 「ゲームのメニュー」を作成して子どもたちに配り、学級会(当時はこの名称でした)、学年の時間(月曜日午後30分ぐらい学年や学級で活動する時間がありました)、帰りの会などにゲームを通してクラスが楽しくまとまるような活動に繋げていきました。
 「ゲームのメニュー」には次のようなメニューが載っていました(メニューに載っていた一部でよく遊んでいたものを選びました)。
①リーダーさがし ②ウーポン ③ゴロゴロドカン ④キャッチ ⑤ポコぺコドン ⑥はなれてパッ ⑦アリとあな ⑧ドラえもん ⑨ジャンケンかっせん ⑩集団ジャンケン ⑪ジェンカレース ⑫ステレオゲーム ⑬せいれつゲーム ⑭関所やぶり
 
 それぞれのゲームを簡単に説明します。子どもたちがどのようにして遊んでいたか想像して下さい。
①リーダー探し
 クラス全員で輪になります。リーダーを探す人を決め輪の真ん中に入れ下を向いて目をつぶってもらいます。輪になっている人の中から教師が黙って一人を指名します。その人がリーダーになって動きをして他の全員が同じ動きをします。リーダーは何回か動きを変えていきますので、リーダーを探す人は誰がリーダーか当てるのです。結構リーダーを探すのは難しいです。
②ウーポン
 いくつかのパターンがあります。
教師と子どもで向かい合って行う場合です。それぞれの手の指を丸め筒のようにし2つ重ねて鼻につけます。そこからひたい・あご・右ほほ・左ほほのどこかに教師がウーポンと言ったら動かすのです。鏡と同じ位置と考えます。教師の右ほほは子どもたちの左ほほになります。教師と一緒の位置に動かす場合がアウトです。何回かやってアウトにならなかった人が優勝です。
子どもが二人で組んで同じようにします。専攻と後攻を決めて教師のウーポンという合図で行います。先に3回勝った人が優勝です。
このパターンで、子どもの間に紙や本を置いて顔を右か左かに出して先に3回顔を合せなかった人が優勝です。
③ゴロゴロドカン
 クラス全員で輪になります。ボールを5つぐらい用意します。そのボールを間隔おいて子どもに渡します。教師の合図で右回りに回していきます。子どもたちはみんなで「ゴロゴロ」と言います。あるところで教師が「ドカン」と言うので、その時にボールを持っていた人がアウトです。また、ボールが追いつかれてしまった人・落としてしまった人もアウトです。だから子どもたちはボールを一生懸命に回すのです。
④キャッチ
 二人で組むか奇数の場合は三人で組んでもらいます。それぞれ左手は指を丸めて筒のようにして、右手は人差し指を出します。向かい合ってそれぞれ右手の人差し指を相手の左手の筒の中に入れます。それぞれ人差し指はきちんと筒の中に入れ、相手の人は握ってはいけません。その状態で教師が「キャッチ」と言ったら、自分の人差し指はすばやく抜き相手の人差し指をつかむのです。その際強くつかむことは止めるよう伝えておきます。これも何回か行い自分の人差し指は逃げて相手の人差し指をつかんだのが3回になった人が優勝です。教師が「キャッチ」ではなく「キャラメル」「キャッシュカード」とか言ってあわてさせる場面をつくると大笑いになり盛り上がります。
⑤ポコぺコドン 
 二人一組になります。向かい合って右手と左手を筒にして交互に重ねます。教師が「ポコ」と言ったら一番下の手の筒を一番上に置きます。「ペコ」と言ったら一番上の手の筒を一番下に置きます。例えば、「ポコ」「ポコ」「ペコ」「ポコ」
「ペコ」「ペコ」そして、「ドン」と言ったら一番下の手が相手の一番上の手の筒を軽くたたくのです。これもとても盛り上がります。
⑥はなれてパッ
 奇数の場合は最初に一人指名しておきます。二人一組になり背中合わせになります。偶数の場合は教師が入ります。指名された子どもか教師が「はなれてパッ」と声をかけると、今組んでいる人以外の人と背中あわせになります。声をかけた人もペアに入るので、次回からは一人になった人が「はなれてパッ」と声をかけ続けていくのです。もちろん、いつも一人になる子どもがいないように指導するのがゲームとしての学級経営のポイントです。
⑦アリとあな
 「はなれてパッ」の応用編です。二人一組ですが、一人はアリに一人は穴になるのです。アリは両手の人差し指を頭の上にする格好で、穴は両手を丸く囲む格好をします。今度は声をかける人が「アリ」と言ったらアリの人だけが他の穴に移動します。「穴」と言ったら穴の人だけが他のアリに移動します。声をかける人は自分が言ったものになってペアを探します。
⑧ドラえもん
 このゲームは最も多く行ったものでしょう。教師と子どもとの対戦です。ドラえもんの登場人物のポーズをするゲームです。「ドラえもん」は両手を耳に当てるポーズ。「ドラミちゃん」は人差し指をほほに当てるポーズ。「のびた」は指を丸めてメガネのポーズ。「ジャイアン」は両腕でガッツポーズ。「すねお」は両手を上下に重ねて口に当てるポーズ。「のびたのママ」は2本の人差し指を頭に乗せるポーズ。他にも「しずかちゃん」は人差し指を首の後ろに当てるポーズ。「のびたのパパ」はタバコをすうポーズ。あまり多いと分からなくなるので「しずかちゃん」と「のびたのパパ」は省くことが多かったです。みんなで「ドラドラドラ」と言いながら教師も子どもたちも先ほどのポーズのどれかをつくるのです。教師と一緒のポーズはアウト。アウトの人は椅子に座って最後に誰が残るのかのゲームです。ポーズをアウトにしないでセーフにして誰が最後まで残るかのゲームもできます。このゲームは教室で簡単にできるので、担任以外の専科の授業の時にもよくやっていました。一番人気のゲームでした。
⑨ジャンケンかっせん 
 ジャンケンは子どもの遊びで最もよく行われるものですね。教師と子どもでの対戦です。「ジャンケンポイ」で負けた人は座っていき、最後に誰が残るのか。運動場だと負けた人は短い距離ですがある物に触ってくるという運動にもなりました。
⑩集団ジャンケン
 班に分かれて、教師と班ごとに決めたジャンケンで勝負するのです。ジャンケンをする前に班で相談して「グー」「チョキ」「パー」のどれかを決めます。私と対戦して勝った班に得点が入るようにします。班で一人でも違うものを出したらアウトです。運動場で行う時私が負けた時はある物に私が走っていきました。
 班どうしでジャンケンをします。勝った班に得点が入り一番点が多かった班が優勝です。この時も一人でも違うものを出したらアウトです。
⑪ジェンカレース
 フォークダンスにジェンカがありますよね。運動場か体育館などで行います。班のグループで一列になり前の人の肩に手を置き、スタートからゴールまでグループごとにジェンカをして順位を付けるのです。前の人の肩から手が離れたグループはアウトです。
⑫ステレオゲーム
 これは言葉を当てるゲームです。例えば「たまご」という言葉をお題にすると、3人の子どもを指名して、一人の子どもには「た」もう一人には「ま」最後の一人には「ご」を合図と同時に一斉に言ってもらうのです。それで聞いていた人が3つの文字を合わせて「たまご」と答えるのです。文字が多くなると難易度が増します。
⑬せいれつゲーム 
 室内でできるゲームです。各班のグループに分かれ、ある順番に並ぶゲームです。例えば「4月から誕生月ごとに並ぶ」「通学時間が短い順に並ぶ」など。5年生・6年生の清里での校外学習の最後の晩にリクレーションがあります。その時、教師の出し物としてこの「せいれつゲーム」を応用して、いくつかある順番に並び「何の順番でしょうか?」とクイズに出していました。ある時には「偉い順番」という珍解答もありました。
⑭関所やぶり
 外か体育館でのゲームです。班のグループごとに並びます。各グループから二人の人を選びます。その二人は自分のグループから1列ずれたところに少し間隔を空けて前後に立ちます。ゲームのルールは各グループのリレーになります。
最初の人がスタートし立っている別のグループの人とジャンケンをして勝てば後ろの人とします。それで勝てば次の人にタッチです。後ろの人に負けた場合はもう一度前の人として勝てばやはり後ろの人とします。前の人に負けた場合は最初に戻りやり直しです。ただし、3回戻ってきたら次の人にタッチできます。アンカーの人が戻ってきた順番で順位をつけます。人数は調整し足りないところは2回やる人を決めておきます。
 運動にもなり結構盛り上がります。
 
教室での「ドラえもん」と広い場所での「関所やぶり」はゲームメニューの両横綱だったようです。このようなゲームは振り返ってみると教育に貢献できるプログラムだとつくづく思いました。
 担任として学級経営に生かしてきました。ゲームを通していろいろな人間関係が把握できました。人間関係の向上にも寄与できた面もありました。このようなゲームの教育的な意味をこれからも考えていく意向です。

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