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No.14 1986年 6年生「アイデアポスター」を創り生かす

 初等科にも校内外のマナーを守るための呼びかけのポスターはありました。ポスターの標語は直接的な呼びかけが一般的でした。1986年に6年生の国語の授業で校内に貼るポスターを直接的な呼びかけの言葉ではなく、ユーモアがあり場合により心地よく受け入れられるポスターを創ることにしました。標語だけでなく絵も入れての「アイデアポスター」です。実に、子どもたちの創造力は豊かです。

 校舎の廊下を急いでいるとぶつかってしまうことがありますね。角の所では特に注意が必要です。そんなところに注目したポスターです。「校通ルール」は「交通ルール」にかけたもので、シャレが好きな私は思わず「座布団1枚」。

 体育館では休み時間に遊んだバスケットボールが収納のかごに入っていなくて、出しっぱなしになっていることがあります。「ボールはもとに戻しましょう」が一般的な呼びかけの言葉ですが、「ボールにもちゃんと帰る家がある」という、なんと温かい言葉でしょうか。置きっぱなしになった悲しそうなボールの絵も心を引き付けます。

 聖心には必要なこと以外絶対に沈黙しなくてはいけない場所があります。それが聖堂です。そんな聖堂の入り口に貼られたのがこのポスター。沈黙を「チャック」に置き換えたこの言葉、特に低学年には効果があったようです。

 靴箱の横に貼りました。帰りに中靴から外靴に履き替え、下校する時のマナーを意識するためのものです。私立小学校の子どもたちの多くは電車やバスで登下校しますが、特に下校時に友だちと一緒になってふざけてご近所の方や乗客の方からご注意を受けることがあります。聖心の子どもとして意識して欲しいという意味が込められています。

 同じように下校時のマナーについて、より直接的に訴える次のようなポスターもありました。これも靴箱の横に貼られました。

 国語の授業で創ったポスターを実際の学校生活で活用するこのような試みは教育的な意味をもっていると今でも考えています。

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