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No.15 1983年10月~11月 4年生算数 分数 「ストーリー 分数村の探検」 

 1983年10月から11月にかけて4年生の分数で実践した「ストーリー 分数村の探検」の授業計画が手元にあります。B4版25枚の手書きの4年生分数約20時間分の計画です。
 なぜこのような授業を行ったのか次のように書いていました。
 
 4年生の分数は10歳のかべとされる(1983年4月NHKテレビ「視点」による)。このように指摘された分数について教師としてどのような授業をつくったらよいか考えてみたい。
 子どもたちが分からなくなっている原因の1つとして教科書の記述があげられる。特に分数の単元を概観すると、児童に興味を持たせる記述が少ない。いわゆる記述が一般化・客観化され、かたいのである。これは大変大きな問題である。このことと関連し、抽象的な分数をイメージ化させることも不十分であるし、また例題に一貫性がない。このような教科書の不十分さを補うにはどのような授業の視点が必要なのか。
(1) 授業に興味を持たせ楽しい授業をつくる。
(2) 量指導の観点を中心にする。タイル・実物などを用いて視覚に訴える。
(3) 計算問題を型分けし、系統的に指導する。
(4) ひとりひとりの理解・技能を把握して個性化教育について考える。具体的にはカルテの利用、形成的評価の導入、個性のあるノートづくりを進めるなど。抽出児の思考・授業に対する感想の考察。
 「授業をする」のではなく「授業をつくる」という発想の転換を「分数」という具体的な教材の場面で考えてみたい。

授業の計画
1.事前評価 分数のアンケート(分数の意味・計算) 0.5時間
2.分数の意味と歴史 2時間
3.いろいろな分数(ドラえもんと一緒に遊ぼう) 8時間
  分数ゲーム① 分数ゲーム② 形成的評価①
4.分数の計算 ストーリー化「分数村の探検」絵本づくり
 1)分数の足し算(分数村まで) 3時間
  形成的評価②
 2)分数の引き算(分数村で) 4時間
  形成的評価③
 3)分数ゲーム③(思い出の分数村探検ゲーム) 1時間
5.総括評価 分数のアンケート 1時間
6.絵本づくり、ノートづくりの発表 1時間

 ここでの学習で作成した「いろいろな分数ドラえもん」(真分数、帯分数、仮分数、帯仮分数をドラえもんやドラミちゃんで形にした)や「『分数村ふもと駅』から『分数村』までの地図」「分数村地図」はその後4年生から6年生までの分数の授業でも活用しました。

 教科書にとらわれない算数の授業の一例でした。

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