中国人に占拠される家

 お気に入りの服に限って辣油をこぼしてしまいます。Pesoyamです。

 先日、ガールフレンド(中国人)の学友が挙って我が家へやってきました。中国人留学生はグループで行動することが非常に多く、その日は彼女が所属するグループのほぼフルメンバーである8人が集まりました。内訳は中国人5人、日本人は私を含めて3人(うち1人は帰化です)と、いつものように那覇からスクランブル発進した自衛隊の戦闘機がある日突然追撃され日中戦争が勃発、さらに中国政府により国防動員法が発令されれば、我が家は制圧されてしまいかねません。

 私は日本に暮らす日本人であるにも関わらず、ガールフレンドと一緒にいると大抵の場合マイノリティ側に属することになります。私の交友関係はかなりの部分が中国人で占められており、こんな辺鄙な領域にまで中国による侵略の手が伸びてきているのかと憤懣やるかたありません。

 しかし、このグループの中には中国語の喋れない日本人がいるため、日本語が私たちのリンガ・フランカです。となればネイティヴの我ら日本人が会話のイニシアチブを掌握するかと思いきや、彼らの日本語は非常に堪能で、私が何か面白いことを言おうと思案している間に話題が変わっていたりします。頭の回転がのろまな私なんかは部屋の隅で痴呆的微笑を浮かべるのみです。

 一日中ぶっ通しで外国語を喋るというのはなかなか難儀なものです。彼らもさることながら、私と同居するガールフレンドには朝のベッドから夜のベッドまで(変な意味はありません)日本語を喋らせているので、なんだか気の毒になってきます。同胞と喋るときでさえ外国語を使っているのでは安息の地もありません。私にも中国語の話せる日本人の友達が何人かいますが、彼らと中国語で会話するのは「前のおじさん、ハゲているね」といった情報を伝達する必要があるときのみです。全ての会話を中国語で、と言われれば頭の冷却機能が追いつきません。

 私たち日本人がいるせいで彼ら中国人は制限を受けているのです。普段よくしてくれる中国の朋友への恩義に応えるべく、せめて私は彼らから距離を置く時間を作り、中国語を使って寛げる時間を作ってあげたいと思います。そのために、我が家の設備も自由に使ってもらいたい。私は一旦身を引きましょう。

 こうして、我が家はすっかり中国人に占拠されるのです。

  

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?