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ベトナムの「いま」から「これから」を考えてみる

ベトナムでは新規入国者を受け入れず、国内にいるコロナ感染者を完全隔離と治療して1ヶ月以上が経ちます。その結果新規の感染者は全く出ておらず、完全にコロナを制圧しています。

海外から帰国した人については、感染が発見されています。しかし、国内にいる感染者から新規の感染者というのはゼロが続いています。あくまで海外にいるベトナム人が帰国して、その中に陽性があり隔離されているという経路も完全に抑えたケースのみが時々加算されています。

という中で、第三次産業従事企業を見渡すとその様子がピンキリで見えてきます。

まず大都市(ハノイ・ホーチミン)では、飲食業を営む店舗は完全に営業再開しておりベトナム人向けの店舗では賑わいを見せています。しかし、一方で出張者や観光客をターゲットとしていた飲食業を営む店舗の状態は悲惨です。悲惨という曖昧な表現でなく数字で表していくと、1月の半数も持ち直していません。中には未だに営業再開していない店舗もあります。そもそもの来客が見込めないためです。

宿泊業を営むホテルでは、5つ星や4つ星は客室稼働率が20%を切っていようが営業再開しています。また星なしホテルも営業再開している店舗が増えています。しかし、3つ星クラスの客室50〜150室規模のホテルは大苦戦しています。稼働率が1桁台になることが容易に想定されるため、そもそも営業再開していないホテルも多いです。

ハノイで言えば旧市街を中心とした観光客が経済を回していたエリアでは、海外観光客の入国がゼロな中で営業をする判断が出来ず営業していない店舗が多く、ホーチミンで言えば1区のベンタイン市場やブイビエンなどのエリアのバックパッカーや比較的リーズナブルに旅行をしていく海外観光客向けのホテルも軒並み開店休業もしくは営業していません。

国内移動も徐々に活発になってきましたが、月間2,000万人が入国していたのに比べれば到底及ばず、中規模ホテルにとってはドル箱が消失した状態が続いています。そしてこれは少なくとも2020年は続くと思います。

これに書かれているような中国旅行業界に起きている事象は一部ベトナムと類似しています。しかし中国ほど自治体や政府が後押しをしてくれることはなく、ベトナムは良くも悪くも自力で乗り切って行くしか方法はないように見えます。

海外でも少し注目されてきたバーチャル旅行については、観光業界とIT業界の協業が必要になりますがベトナムではその動きはまだ少なく思えます。事実ベトナム語の記事でも「世界遺産のハロン湾をバーチャルツアーしてみよう」などの情報は出てきません。あくまでリアルを売りにしているのか?それともバーチャルツアーを企画運営する力やアイディアがないのか?いずれにしても中国のようには行きません。

飲食業界でも企画運用されているクーポンや前売り券はベトナムも例に漏れず可能なビジネスであります。しかし、ホテルにしろレストランにしろ、海外の観光客向けに販売するためのプランニング、そしてセールスとマーケティングをしていくのはある程度のコストと人員が必要になります。

なので、ベトナム国内にいるベトナム人向けに一部こういうクーポンビジネスは稼働し始めています。それでも万人向けの規模に至らず、小規模にとどまっています。ここでもノウハウやITとの連携、効果的なtoCへのリーチ設計が不十分だと思います。

これがベトナムの「いま」でありますが、「これから」を想定して行くと今後半年は新規の海外観光客は皆無として計算する必要があります。宿泊でも飲食でもインバウンドを主軸にしたビジネスモデルは崩壊しています。自ずとみんなが感じ始めていると思いますが、「オンライン」を軸としたビジネスをポートフォリオに組み込む必要が出てきています。

飲食であれば、
オンラインで注文を取り売上を作るデリバリーになるのか?
差別化出来る商品開発をして、オンライン講座を開講していくのか?
海外向けに動画配信を行い、見込み客に対してセールスを行うのか?

ホテルであれば、
オンラインで前売りを販売していくのか?
宿泊施設でなくコワーキングスペースなどの二次利用に形態を一部変えるのか?
クーポンを発行して割安でも売上を積み上げるのか?
ホテルをメインにバーチャルツアーを制作?(ニーズあるのか?課金できるのか疑問)

少し雑に列挙していますが、世界中で生き抜こうとしているアイディアを調べて自分のケースに落とし込み、企画運用していくしかありません。

あるいは既存のビジネスを傷が浅いうちにクローズすることです。

日系資本の中規模ビジネスホテルは未だに稼働していません。しかし家賃は毎月発生していくので、毎月赤字が増えていきいます。内部留保と追加投資で維持は可能です。ですがベトナムが交渉し始めている諸外国との往来に関する決定と実行には時間が必要ですし、厳しい隔離と監視が付きます。それを乗り越えてからの人々の往来なので、1年は必要かもしれません。

1年間売上ゼロで、固定費のみ発生して耐えれるだけの企業がどれだけありますか?善は急げでないけど、ビジネスのポートフォリオを組み直す必要性が日に日に増しているように思えます。これは規模によらず、業態と業種によります。冷静に判断して、「これから」が完全に見える前に経済活動を再開する必要があると思います。

その経済活動は国を超えた国境を越えたオンラインであると最適です。企業自体も第三次産業に従事している場合は、ビジネスモデルの再編を迫られています。

考えて活路を見出そうと思いましたが、結論としてオンラインの組み入れがベストに感じています。同時にビジネス領域の移動です。

それだけインバウンドのみのビジネスには現状勝ち目はありません。負けないことが大切ですが、さすがに負け続けてしまいます、このままだと。

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