見出し画像

ある日のお仕事:会議の資料作りから会議終了まで

大学には〇〇委員会と名の付くものがたくさんある。例えば、本学の場合、学生の退学を決めるのも委員会である。

それぞれの委員会でどこかの部長や研究科長や教員が委員長・委員会メンバーになっていることが大半である。

このような委員会に事務職員がメンバーとして参加するのは、課長職以上が大半で、私のような役職の無い係員は陪席という形で参加する。

会議で実際に議論するのは、委員会メンバーの仕事であり、事務職員の仕事は「委員会が始まれば9割終わり」と言えるほど開催までに業務が集中している。 

今回はそんな会議に係員レベルの大学職員がどのような仕事をしているのか、私個人の経験を紹介する。

会議日時の調整


 委員会メンバーはたいてい皆忙しい。メンバー全員が参加できる日時などほぼ皆無だが、上司に出席が必須な人を確認して、まずはピンポイントにその人(たち)の予定を確認していく。だいたいは委員長や副委員長の予定を確認すればいいのだが、議題によっては「この委員には出てもらいたい」なんてこともあるので、日程調整の前には必ず課長の考えを伺ってから日程調整をする。

委員長が学長に近いポジションになればなるほど、ほとんどの日が埋まっているので、日程調整すらうまくいかないことが多々ある。基本的には2,3候補日を秘書さんに仮押さえしてもらい、1日以内に確定させる勢いで上司に報告&相談して決める。意外とスピード感と判断力を要する仕事なのが日程調整なのである。

会議室の確保


 コロナ禍を経て、少し状況は変わったけど、日程調整とほぼ並行して行っているのが会議室の確保。コロナ禍前は出席者によって適切な場所、要はなるべく綺麗な場所、会議室にふさわしい場所を確保する必要があった。学内の事務職員だけの打ち合わせなんか、カーテンはボロボロ、段ボールなど積みあがっている汚い会議室でやっても誰も文句を言わないが、委員会となると別である。

上司によっては、ここをかなり気にする人もいる。そして、そのような適切な会議室の数が少ないので、基本取り合いになるから大変。国立大、お金無くて、内部の建物を綺麗にできる予算なんて限られているんで!

部署によっては使わない可能性もあるが、あらかじめ人気の会議室を1年分仮押さえしているところもある。自分たちが使いたい日が埋まっていたら、そこで諦めずに交渉して、仮押さえを解除してもらうことがある。

 会議室の確保はコロナ禍でだいぶ楽になったと思う。メンバーはそれぞれの居室からオンラインで参加するので、当日の運営用にボロボロの打ち合わせ室さえ確保できればOK!

資料作成のスケジュールを描き、資料作成スタート


 会議日程を決め、会場の確保ができたら、開催日から逆算して、資料作りが始まる。会議用の資料が完成するまで何度も資料を修正することもあるので、スケジュールは余裕を持って組み、できれば会議3日前までには最終版を仕上げたい(と思っているが、最悪会議の当日まで修正しているなんてこともある。)

部署や上司によって資料作りの関門は様々。まずは議事次第作り。今回の会議でどんなことを議題に上げるかリストアップしたたった1枚の紙なのだが、ここでいきなりストップすることもある。部長の意向を確認して、案件Aを議題に上げるかとか調整する必要などがあるため。議事次第を固めるまでに時間がかかる。

議事次第が決まったら、資料案を作り、上司に見てもらう→修正が入る→直してOKが出たらさらに上司の上司に見てもらう→修正が入る→直してOKが出たら、課長に見てもらう→(以下、確認~再修正を省略して)→部長に見てもらう→理事に見てもらう…。資料が固まるまで5回ぐらい関門がある。酷いパターンがあって、課長に言われたから直したのに、部長が修正前の案を採用するとか、理事に見てもらったら議事次第そのものが変わるなど地獄のような展開になることがある。

 資料案作成と修正のラリーを続けていると、時間なんていくらあっても足りない。結局、会議の前日22時ぐらいまで残って資料作成なんてこともあったな…。

発言メモの作成


 私は勝手にカンニングペーパーと呼んでいる。どの議題に何分の時間を割き、どんなふうに進行してほしいかのメモを委員長に渡すのだ。

厄介な点は、資料が最終版にならない限り、発言メモも最終版ができない点だ。議事次第作成と同時に作るなんてしたら、議題AとBの順番が逆になった時、発言メモも直さないといけない。資料修正の度に発言メモも修正していたら時間の無駄だと私は思っているので、こちらの作成は資料確定後にしている。さらに、過去の発言メモが一太郎や神エクセルで作られていると、枠線の調整が面倒で、私は自分が担当のときにしれっとワードで作り直している(そのせいで初回は時間が余計にかかる。)

会議本番の準備、そして本番へ


 こちらはコロナ禍でだいぶ楽になった。コロナ禍前は名立ての準備、資料最終版の印刷を時間に追われながらやってた。名立ては一度作れば、委員会メンバーが変わらない間は使いまわせるので初回だけが面倒だが、資料の印刷はいつも手間取る。資料を全部PDFにして一括して印刷できれば楽なのだが、前日まで修正している場合やA3資料が紛れ込んでいる場合など個別に印刷して、さぁ、資料組みのスタート!議事次第を表紙に、資料1-1.1-2、1-3-1、1-3-2、2-1…とまとめていく。これを20人分とかやるのが地味に時間がかかる。20人分用意したのに、会議直前に「資料1-3-1、差替え!」なんてこともある。

あと、事前に渡したのに自分の資料を机のどっかに置いて無くす上司がいるとマジ最悪。「資料余ってない?」と。ふざけんな!そういうときのために多めに印刷してるけど、それでもイラっとくる。

会議資料の準備ができたら、今度は会場準備。議題によっては会議室の机の配置を変える必要があるので、ちょっとした力仕事。この作業は最近はほぼなくなったので楽。

 コロナ禍になって、資料印刷の負担は無くなって、代わりに「会議本番に問題なく資料を共有・投影できるように抜かりなく準備する」必要が生じた。マイク・カメラなどの機材の接続確認はもちろん(もうだいぶ慣れたから気持ち的には楽)。

人によっては自分で投影スライドを操作せず、部下にやらせる人がいるので、説明者の話している内容とスライドが一致するよう、けっこう神経すり減らして対応している。(スライド3番とか言ってくれればまだましだけど、「さっきのあの図」とか指示してくるタイプもいるので。。。)

会議後―議事要旨作成


 会議が終わったら、記憶が新しいうちに議事要旨を作成する。会議中もメモを取っているけど、走り書きのときもあるので、ICレコーダーを聴きながら、早めにまとめるようにしている。とても仕事のできる上司から「議事要旨はどのような議題で何が議論され、何が決定されたのか、この会議に参加していない人がこれを読んだだけでわかるようにまとめなさい」と指導されたのが一番しっくりきているので、私はこの点を意識して作成している。

 議事次第どおりに会議が進んでくれたときは書きやすいが、話の流れで議題1の途中に議題3がぶち込まれたりすることもあるので、録音を何度も聴きなおして、議事要旨としてなるべく綺麗にまとめるようにしている。

私なり工夫は、会議資料に何時何分ごろに議題2が始まったかとかをメモしている。そうするとあとから録音を再生するとき、だいたい開始15分後ぐらいのところを聴けばいいとか目安になるので。先生方、たまに雑談に花咲かせてしまうので、録音したものを最初から最後まで聴いていると時間がいくらあっても足りない!

以上が私が経験した会議業務の流れである。1つの会議が終わるとやっと一息つける。…が、ときにはそこから新たな業務が発生することもあるので、次回はそこらへんを紹介したい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?