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京都大学の大学職員への懲戒処分について思うこと

先日、気になるニュースが目に飛び込んできた。「教職員に対する懲戒処分について

処分内容は戒告なので、懲戒処分の中で一番軽いものに該当する。

ただ、処分が重いか軽いかはあまり問題なく、下記内容で懲戒処分に至ったことが興味深いニュースだった。

当該者は、部下を指導等する立場にありながら、現部署及び前部署に所属する4年9ヶ月の期間にわたり、出勤日の概ね半数の日において、1分から10分程度の遅刻をしていた。また、一部の日においては、遅刻をしたにもかかわらず、あたかも始業時刻までに出勤していたかのように装っていた。

https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news/2023-03-08-0

1ヶ月を21日勤務とすると、1,197日、その半数の日なので約599日は遅刻していたとされている。2日に1回は感覚としては確かに多いと思う。

1分であろうが遅刻は遅刻なので、規定に基づき処分を下したことになんら問題は感じないが、色々思うところはあるので、列挙して1つずつ個人的な意見を述べたい。

・単純に目に余るほどの勤務態度だった
・当該職員が厄介者だったから、遅刻を理由に処分したかった(本当の理由は別にあるってこと)
・目を付けられたら終わりな職場
・なぜ内部の話を大学のニュースに載せるのか

単純に目に余るほどの勤務態度だった

 これが一番有力だし、そうであってほしい。上述のとおり4年9ヶ月の間、約半分の日は遅刻しているのはいくらなんでも多すぎる。

おそらく懲戒処分に至るまで、上司から口頭注意は何度かあったはずだ。それを無視し続けた結果の懲戒処分なら、納得である。

当該職員が厄介者だったから、遅刻を理由に処分したかった

 これもありそうな理由だし、これをありそうと思ってしまう私の職場環境って大丈夫なのかな…と不安になった。

まともな組織なら、絶対に上司からの口頭注意はある。それを無視し、出勤日の約半日を遅刻して、胡麻化している人物が、それ以外の部分でもまともに職務を遂行しているとは考えにくい。
要は「問題児」だったのだ。私の職場にも「問題児」はたくさんいる。しかし、残念なことに民間と違い、それらの「問題児」のクビを切るのは難しい。

曖昧な理由でクビを切ったら、下手すれば「問題児」が訴える可能性だってある。そんな相手に対して正当に処分を下せるカードがあったら、使わない手はない。

遅刻なら打刻という動かぬ証拠がしっかりと残っている。「あたかも始業時刻までに出勤していたかのように装っていた」のもPCの立ち上げ・IDでのログイン履歴を細かく確認すれば、明らかにできる。ごくまれに職場に着いた瞬間、PCを立ち上げる間もなく、嵐に飲み込まれることはあるので、たぶん数回じゃなかったんだと思う。

だから、遅刻を理由に処分したかった。そんな表に出てこない裏事情があったのではと考えてしまった。

目を付けられたら終わりな職場

 1~10分の遅刻で処分ですか…1~29分のサビ残は毎日しても問題ないのにね(うちの場合)。勤務時間中にYahooニュース見てる管理職なんていっぱいいる。

WBC決勝戦なんて、PCの近くにスマホ置いて朝から試合終わるまでずっと観ていた人も複数人いたよ。部署によってはテレビ付けて、勤務時間中に大勢が試合観てたよ。

厳密に言えば、これらの行為もアウトなはずなのに、目を付けられていないから「問題」になってない。しっかりとした規定があっても、何が問題で何が「問題」じゃないかの最終的な判断をするのは職場にいる人間であり、そこに絶対的な公平性など存在しない。

なぜ内部の話を大学のニュースに載せるのか

 今回の処分って外部に直接的な迷惑をかけたり、訴えられたり、元からニュースになってたりしていないのに、どうして大学のHPにわざわざ載せるんだろうね。

この記事を書いている間に京大でまた教職員の懲戒処分のニュースが更新された。今度はセクハラだそうな。

それはさておき、この点は民間企業とは異なる公共性の高い国立大学ならではなのか、国の時代からの慣習なのかな。

末端の実務担当としては、こういうニュースを見ることで、全く関係ない人が嬉々としてクレームの電話入れてきたり、メールしてきたりして、めんどくさいので、内部の不祥事は内部で粛々と片付けるにとどめてほしい。公表するならせめて「本件についての問い合わせはこちら」って担当部課長の電話番号ぐらい載せて、末端に余計な仕事を増やさないでほしい。

終わりに

 大事なことなので、何度も言うが、今回の処分は真っ当である。しかしながら、大学職員として似たような職場で働いている身としては、なんだか気持ち悪さを感じるプレスリリースだった。


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