大学職員になった理由②

内定を得るも消えない違和感。ビジネスの世界はサバンナと同じなのでは?

 両親のキャリアから生まれた偏見と大企業病を持ってして、私は就活に挑みました。英語を軸にしたのみの就活をしたので、航空業界、メーカー、旅行、マーケティングなど多種多様な業界から内定を得ました(八方美人になるのは得意だったよう)。大企業病に罹っている私なら満足のいく結果になっていたはずの内定先です。しかしながら、肝心の内定先を1社に絞ろうとしたとき、全く決めることができませんでした。知名度・国際性を選んだら、航空業界が一番良かったのですが、なぜか違和感が邪魔をして「ここにしよう!」と決心がつかないまま数週間がたちました。
 違和感の正体も分からず、内定先も決めることができない、そんな状態が続いたので、大学のキャリア支援センターに相談してみました。相談員に訥々と自分の胸の内にある違和感を語るうちにふと思い浮かんだ言葉が「ビジネスの世界ってサバンナと同じですね」でした。サバンナ、弱肉強食の世界。たとえ同じ種族であろうとも、己が生き残ることを優先する世界。この時、私の念頭にあったのは〇〇電機の事例です。(ここではその事例の真意は問いませんが、)多方面からよく耳にするのが「〇〇の洗濯機は質が良かったのに、〇〇電器がそれを潰して、結局、技術は中国に流れてしまった」という話です。どの企業の話を聞いても「競合他社に如何にして差をつけるか」の自慢大会。私は民間企業の性質そのものに違和感を感じていたのです。
 また、当時話題となっていたC〇CのTSUTA〇〇図書館の惨事も私の進路変更に影響を与えました。惨事の詳細は割愛しますが、あの事件を知って「あぁ。民間企業に任せちゃだめな領域があるのだな」と感じました。そして、私が興味を持つのがその「民間企業に任せてはいけない領域」ばかりだったのです。つまり、利を目的とすると手が出しにくい非営利の性質が高い領域です。ここで自分の就活を振り返り、様々な業界の話を聞いていく中で印象に残り、且つ、エントリーシートを書くこともスムーズにできたのは、全て独立行政法人だったことに気づきました。独法での説明会で印象に残っていた説明の1つに「すぐには収益性は望めないが日本の未来を考えれば参入する必要がある分野に挑戦できる」というものがありました。「民間企業に任せてはいけない領域」、「日本の未来を考える」などようやく「英語を活かせる」以外にも軸が見えてきました。そして、ついに私の中に「大学職員」の選択肢が芽生えました。4年間、たくさんお世話になって、こんなに身近にいたのに、働く選択肢としては全く見えていませんでした。灯台下暗しですね。

就活の方向を転換して大学職員に

 さて、就活の方向転換を決意したのはいいのですが、残された時間はとても限られていました。前述のとおり民間では既に内定が出ている時期でしたので、そもそも新卒採用のエントリーをまだ受付している大学が少なかったです。この段階で焦って募集している大学をいくつも受けても、準備不足になってしまうと考え、その時点で募集をしている大学で一番良いところ1校に集中して受けることにしました。イチかバチかですね。これで内定がもらえなかったら、縁が無かったと思い、元々キープしていた民間の内定先にいくつもりで1校に全力投球しました。その分、ESの添削や面接練習は今まで受けてきた募集先の中で最も細かく、入念に準備したと思います。結果として、イチかバチかで受けた大学に内定をもらうことができました。選考プロセスなどは別の機会にnoteで公開する予定です。

まとめ

 2回にわたり、大学職員になった理由をつらつらと述べてきましたが、冗長で分かりづらかったと思います。ざっくりと言ってしまえば、大企業病に罹り民間大手ばっかり受けたら、納得がいく就活ができず、そこでようやく自分が目指すべき就職先が営利企業の会社員ではなく大学職員だと気づいたといったところでしょうか。非営利だけであれば大学職員以外にも選択肢はありますが、英語が活かせる、日本の未来を考えるなどの軸を加えたら自然と大学職員に絞られていきました。この3つの軸に合致する職業の中でもなぜ大学職員が良かったのかについては、次回お話ししていきます。


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