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【イベントレポート】パーセフォニ & SMBC「脱炭素DAY」 脱炭素化に向けて -Are You Ready?

パーセフォニ&SMBC共同で開催した脱炭素DAYは、脱炭素化社会への移行を実践中&これから進めようとする企業のリーダーが集まった、とても熱量の高いイベントでした。本日はそのサマリーをお送りします。

<概要>
パーセフォニ x SMBC 共同イベント「脱炭素DAY 脱炭素化社会に向けて -Are you ready?-」

[日時] 2023 年 4 月 18 日(火) 13:30~16:30   (13:00 開場、受付開始)

[内容]
キーセッション
ケンタロウ カワモリ講演 (パーセフォニ CEO兼共同創業者) 
パネルディスカッション   
ENEOSホールディングス 未来事業推進部 副部長 大間知 孝博氏
株式会社ADKマーケティング・ソリューションズ 原口 政也氏
ほくほくフィナンシャルグループ 執行役員  浦崎 滋氏
三井住友銀行      サステナブルソリューション部長 藤間 正順氏
ゲストパネラー & モデレーター 瀧口 友里奈氏         
ネットワーキング


パーセフォニ/SMBC共同イベントに80名を超えるビジネスリーダーが参加し、日本の脱炭素化への熱い思いを語る

80名を超えるビジネスリーダーや脱炭素に取り組む企業の代表者が参加し、弊社CEO兼共同創業者のケンタロウ・カワモリが、脱炭素化社会を加速するために、海外の取り組みやルールメーカー(ISSBやSECなど)の動き、社会変革について次の様に語りました。

"世界の脱炭素化の目標を達成するためには、ルールチェンジを待ってから動くのでは遅すぎる。2,3年は遠い先に見えるかもしれないがすぐ目の前にある。炭素税が課せられることがほぼ決定している今、すぐに行動することがビジネスチャンスを掴む意味でも必要だ"

CEO兼共同創業者 ケンタロウ•カワモリの講演
"いますぐ始めなければ遅いのだ"

参加者は熱心に耳を傾け、メモや写真を撮っていましたね。イベント主催としては嬉しい反応です。

そしてスペシャルアナウンスメント2つ発表しました。

  1. 新機能『ネットゼロナビゲーター』(NZN)

    1. NZNは、企業が効果的に温室効果ガス排出量を削減し、削減目標を達成できるよう、実行可能な施策を具体的に提案する新機能です。(無料デモ体験の申し込みはこちら

  2. グローバルCCO兼APAC プレジデントに塚本信二が就任!!!

    1. Global Chief Commercial Officer 本社最高商務責任者兼アジア太平洋地区プレジデントとして、日本を含むAPAC地域及び、グローバルなビジネスの成長を牽引していく役割を担う。(ニュース記事はこちら *英語)

グローバルCCO兼APACプレジデント 塚本 信二

CCOとしてグローバルの成長を牽引しますが、拠点は日本!日本へのコミットメントを強く感じますね。

ここで少しだけ会場から出た質問と回答をご紹介。

Q1. 日本の課題として世界に散らばった情報を集めるのは難しいという話に同感しました。海外のグローバル企業はどうやって情報収集をしているのですか?

A. 炭素会計分野でのデータ収集は大きな課題であり、完璧に収集できている企業はいない。できるだけしっかり集めることが基準になっている。例えば、アメリカ企業をみると50%以上は中小企業である。そこから情報収集するのは非常に難しい。そういった中で私たちがお手伝いできることとしては、データセットを装備することで、データがまったく揃わなくても炭素会計できるようにお手伝いしたい。

Q2. 国境を越えて多くの企業の排出量を分析・参照しあうことが理想的だと思っているが、このようなことは現実的に可能でしょうか?今の状況をどう考えていますか?

A. 将来的には起こるようになると思うが、まだまだ複雑な部分がある。例えば、言語の部分。いかにしてシームレスに公開するか。また、単位に関して。アメリカはマイル、ヨーロッパはポンドを使っているので、単位が違う点をどう標準化していくなど。今後解決していくことになる。 これらの解決策としてAIを搭載すること。第2四半期終わりにはAIを搭載したものをローンチする予定です。言語や単位の違いなど種類の異なるデータ統合をAIが担っていくようになると考えている。

Q3. 小さい会社も個別にデータ計算しなくても、当たりをつけられるように排出係数を用意しているとのことだが、具体的にどういう排出係数を用意しているのですか?特に、日本企業について教えてください。

A. 現在、約15万の排出係数を装備している。日本の環境庁に準拠したものなどメジャーな排出係数は搭載している。今後も係数を増やしていく。

Q4. PCAF対応機能が搭載されており、日本の地銀による導入事例が増えているとのことだが、日本の地銀にCO2に特化した人間はそんなにいないと思います。担当者はどのような作業を行っているのですか?

A. PCAFの算定は住宅ローン、資産クラスなど推定値で算出している。地銀に関しては、政府から準拠を求められている資産クラスのみを算定されるお客さまが多い。しかし今後、SMBCのようなESGのエコシステムを構築されているお客様と共用することで、より幅広く算定・開示をする流れが見込まれている。 投資先のデータを自動的に持ってきて、地方銀行の担当者が株数を入力すると、投資先のデータと株数を掛け合わて、CO2排出量を計算する。なので、数千・数万の投資先がある場合は、それぞれの投資先の株数を入力するだけですぐに算定でき効率化できるため、この点で高い評価をいただいている。

Q5. 日本だとスタートアップ企業・大手含め排出量を計測するプラットフォームを提供する企業が増えているが、他社と比較したうえでの強みはなんですか?

A. 全体的な状況をお伝えすると、日本だけでなく世界で炭素会計ソフトを売っている企業は増えている。しかし、過去数年でできた企業は倒産寸前かまもなく倒産する企業が多い。 なぜかというと、会社が求める炭素会計の基準が上がってきているため。 我々は資産調達で100億円以上あり技術開発にも投資をしているため、求められるものに応えられるようになってきている。
私たちのプラットフォームの差別化要因は信頼性、監査に耐える機能を持っている点、自動的にお客様の手をできるだけ煩わせずに算定ができる点です。そういった意味で私たちのソフトウェアは、できるだけ安いソフトウェアを求めるお客は合わないと思っている。脱炭素の文脈でリーダーのような存在になりたい企業に適するプラットフォームである。 または、斬新で役立つサービスを追加していく予定なので、今後我々のケイパビリティに期待して使っていただいている企業も少なくはない。 最後に、一番の強みはグローバルの知見を持っていること。アメリカの会社だが、世界各国にお客様がいて、専門性の高いスタッフもいる。例えば、ヨーロッパでは国際的に適用されるCSRDという基準が準拠されるが、それはヨーロッパで貿易をするすべての国際企業に準拠されるルールである。こういったものは、日本だけの情報収集だけだと準拠するのは難しい。しかし我々の方で世界の動向をお伝えすることができるので、世界でビジネスをする日本企業のサポートができる点は強みである。

イベント後半には、ADK、ENEOS、ほくほくフィナンシャルグループ、三井住友銀行の代表者によるパネルディスカッションが行われ、それぞれの脱炭素化の取り組みについて語りました。

ENEOSの大間知氏は自社の脱炭素化の取り組みについて次の様に語っています。

“以前より再エネや水素事業など環境に配慮した取り組みは長年実施しておりましたが、2019年5月に策定した、「2040年ENEOSグループ長期ビジョン」の発表をきっかけに大きく加速しました。
当社は、2040年のありたい姿の1つとして、低炭素・循環型社会への貢献を掲げております。私が所属する未来事業推進部は、ENEOSHDの100%出資会社のCVCとして、2019年より活動を始めました。革新的な技術や事業アイデアを持つ国内外のスタートアップへの出資・協業をすることで、より早期かつ着実に当社のありたい姿を実現するものです。
これまでに国内外約40社以上のSUに出資し、脱炭素領域では、パーセフォニ社やCO2見える化のコンサルティング会社、ウェイストボックス社などに出資しました。
また、当社全体の脱炭素の取り組みとして、2040年までに、自社排出分(スコープ1・2で、年間約2千3百万トン2021年度実績)のCN化を目指す、カーボンニュートラル計画を22年5月に策定しました。現在、専任組織を中心に、製油所での省エネ等自助努力加え、CCSや森林吸収などの事業を積極的に推進しています。個別案件の中には、出資したSUの知見があったため実現した事業もあり、引き続きオープンイノベーションを通じて、脱炭素社会へ貢献したいと考えております。”

パネルディスカッションの様子

脱炭素社会を加速させるために最も重要な要素を尋ねると、パネリストたちは、「ビジネスチャンス、共創」「オープンイノベーションの導入」「人材」「個人レベルの意識醸成と行動変容」「ステークホルダーとつながる・対話できるプラットフォーム」などを強調しました。

Q6. 脱炭素化社会を加速するために、最も重要なことは何か?

パネリストに脱炭素化社会を加速するために、最も重要なことは何か?と聞いたところ、ADK原口氏は「オープンイノベーションの導入」が重要と述べ、続けて話しました。

"これまでの延長線上で、日本の産業界、日本の社会だけで通じる常識、知見で脱炭素をとらえない。世界各国で起こっている状況を正しく理解する術を持つべき。正しい情報なくして未来に向けた戦略は描けない。これを実現するためには、オープンイノベーション発想が重要で自社だけで対処しようとせず、世界で展開している脱炭素のプレイヤーとの協業が不可欠。有力な脱炭素関連のスタートアップが世界各国で増えている中、彼らとフラットな関係で協業し、学ばせてもらう手法を身につけるべき。垂直統合型を続けてきた企業にとっては、企業サイズ、企業風土、スピード感の違うスタートアップとの協業は戸惑うことが多いが、そこからビジネスイノベーションが起こるはず。"

ほくほくフィナンシャルグループ浦崎氏は同質問に対し、「人材」と答え、
地域金融機関として地方の脱炭素化をリードする立場から次の様に語った。

”最も課題であると考えていることは、脱炭素化社会への移行に向かっている状況をお取引先へはもちろんのこと、当社グループの従業員にも理解させることです。
今この動きが重要であることを理解し、取り組んでいくための動機付け、当社グループでは「腹落ち」といっていますが、これをいかに認識してもらうかは、脱炭素化に向けた最も重要な第1歩だと考えています。これに向けて、顧客向けには自治体などと連携したセミナーや他地銀と共同でのセミナーを開催しています。また従業員向けには、まさにGX人材を育成していくため各種研修制度の充実化を図っています。
人が動くためには「腹落ち」してもらうことが重要です。しかし、中小企業においては、脱炭素以上に短期的な課題が多く存在します。まず目の前の課題を解決することが優先事項となります。長期的な課題の解決には、銀行がしっかりとサポートしていく必要があります。顧客の長期的な課題を明らかにし、解決に向けたサポートをしていく。デジタル化が進む中、地域金融機関にとって求められる大きな役割の一つになるはずです。そのためにもしっかりとそのような活動ができる人材を育てていくことが最も重要であると考えます。”

続いて、SMBC藤間氏は「個人レベルの意識醸成と行動変容」と答え、次の様に語ってくれました。

“SMBCは、企業が脱炭素化を加速するために、消費者の意識と行動の変容が重要だと考えています。そのため、消費者が気候変動に配慮した行動をとることで、自分自身にも経済的な影響が返ってくる仕組みを作り、環境に配慮した商品やサービスを提供しています。また、出張や通勤でグリーンな行動をすることで、勤めている会社の脱炭素や非財務価値へ貢献できるような取り組みを行っています。さらに、お客さま向けの環境に配慮した住宅ローンやグリーン預金の提供、職員のサステナリテラシーの向上にも力を入れています。”

最後にスペシャルゲスト、、、急遽(無理やり)参加をお願いした方は「ステークホルダーとつながる・対話できるプラットフォーム」が重要と答え、次の様に語ってくれました。

“エコなオフィスや環境に配慮した製品・サービスの提供といった環境に配慮した末端での取り組みは「知る人ぞ知る」にとどまっています。ここからは私の意見となりますが、このような地道でありながら事業部門にとって重要な非財務的な活動をいかにして経営視点でステークスホールダーの皆様よりご評価いただける価値へ昇華させ、また、ステークスホールダー様からの評価を事業へフィードバックするようなPDCAをまわしていくか、というところにあるかと私は考えています。自社では「技術を通じて社会に貢献する」という事業理念をもった企業体でございます。事業部門では、ご紹介いたしました環境に配慮する取り組みを推進することと同時に、事業の持続的な成長をもって社会へ貢献していくミッションを持っており、両方を成立させていただくことが事業のあるべき姿であり、またステークスホールダー様より求められていることだと私は考えております。そのためにも、ステークスホールダーとつながる・対話できるプラットフォームを求めており、現在Persrefoniをはじめとするプラットフォームの試行を行っているところです。”

パネラーとモデレーターの皆さん

先駆者たちが語る言葉と具体的なアクションは、参加者に大きなインパクトを与えたのではないでしょうか。参加者からの真剣な質問にこちらも嬉しくなってしまいました。

このイベントをきっかけに、社会的な意識の向上や行動変容が加速することを願っています。またnoteを読んで頂いた皆さんにも届きますように。

それではまた来週!


ご質問やご意見もお待ちしています。
*パーセフォニをもっと知りたい方はこちら
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