院内見聞録 通院・読書・映画
2022年3月15日
定期診察の日。わたしが白衣に着替えてベッドに座っていると、先生が「寝言さん、関係ないですけど靴が一緒です」と言われる。そう、わたしは今日Vansのスリッポンを履いてきた。そして先生がミュールタイプを愛用していることには、数カ月前から気づいていたけど、わたしが履いてくるのは今日が初めてだった。先生ともかなり打ち解けてきたようだ。
300cc以上は入れないようにと言われていたので、40㏄だけ入れてトータル300㏄注入完了。この食塩水を入れるために弁のようなものがエキスパンダーにあるのだが、その位置が分かるように磁石が入っている。だから今はMRI検査は受けられない。万が一、事故にあって意識不明の状態で急遽MRIを受けるような事態になったときのために「MRI検査 禁止」と赤字ででっかく書かれたカードを普段使いの財布に入れている。あと出張用の財布にはコピーを入れている。
で、その位置を探るための器具を最初の注入時にもらった。診察のたびに持参している。いつもは返してくれるのだけど今日は注入の最終日だからか渡されなかった。おそらく病院で処分するのだろうと思いながら帰りかけていたら、看護師さんが「寝言さ~ん」と呼びながらそれを手に走って追いかけてきた。「忘れてました」とにっこり笑いながら渡されたのだけど、使い道はもうないはず。「これって何かまだ使うのですか?」「いえ、どうしてもということなら、こちらで処分しますが…」と言われると、まるでわたしが厄介払いをしようとしてるみたいじゃない。そこまでの愛着はないけれど、今までお世話になった器具だし、無碍にはできないと思ったので受け取った。結局、思い出の品ということ? (写真は思い出の品)
待っている間に読んでいた「アニマ」が壮絶にしてすこぶる面白い。作者はわたしと同い年の亡命レバノン人。亡命と言えばEXILE。いや、とりあえず今はEXILEはおいとこうな、わたし。
1992年、当時通っていたバルセロナの公立語学学校のクラスメイトにレバノン人がいたことを思い出し、停戦間もない時期だったことを知る。そのまま記憶は「戦場でワルツを」の中で、主人公が休暇中に行ったディスコでPilの「This is not a love song」がかかっているシーンで、この内戦が少なくとも私のティーンエイジと同時代だったことに気づいてショックを受けたことを思い出す。そのまま読み進めるとまさしくバシールとワルツを踊る兵士の描写が出てきて、勝手に映画の中の内的世界の描写と思い込んでいたものが実際にあったことなのだと腑に落ちて、おもわず声が出てしまった。確か、映画を観た当時にサブラ・シャティーラの虐殺のことを調べたはずなのに、この地名がすっかり私の中から忘れられていて、物語で出てきてもすぐには結びつかなかった。本当に今更ながらわたしに歴史的教養が欠けていることが悔やまれる。そしておそらく「あっ」と気づくはずの設定を、前の章の情報を読んだそばから忘れてしまい、何かこれにつながるヒントみたいなのあったよなと思うけど思い出せない。加齢憎し。
ちょうど術前1カ月ごろに薬がなくなるのだけど、入院時に持っていく必要があるので薬を処方してもらう。次の診察は薬がなくなる6月までない。
診察代 1,510円
薬代 1,350円
3月25日
朝、薬を飲もうとしてびっくり。昨日の分がまだ残っている。でも、昨日確かにサプリを飲んだ記憶はある。もしかして、サプリだけ飲んで薬を飲まなかったのか?
4月18日
入院前の検査の日。検査は比較的待たずにスムーズに終了。昨日から薬はやめている。16日でなくなる予定だったが、飲み忘れもあり2日分が半端に残っている。この検査結果は来週の麻酔科と形成外科の診察のときに分かる予定。わたしのカンフル剤である町田くんを摂取すべく、Tohoシネマズ新宿にて「チェリまほ」2回目を見る。場所柄か、男性ひとりで来ているお客さんがチラホラ。
診察代 3,810円
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