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問題解決の本を読んでみた③−3

ここまでで、皆さん、正しく原因分析ができるようになったと思います。練習もしましたしね。
原因を正しく掘り下げされたか確認する方法が原因分析の本に載っていましたので、紹介します。

見た目の形で確認する

因果の構造図を見た目で確認する方法を紹介します。

一直線  広がり不足

なぜなぜ分析をしていると、気づけば「一直線」に掘っていることがあります。
「これが原因に違いない」と思い込んでそこに向かってまっすぐ進めてしまっていることが形に出ています。
原因を決め込んでしまうと、事実確認も疎かになりがちです。見落とした原因に対策が打てず、効果が出ないこともあります。

ではどのように見直すかというと、「他には?」と問いかけてみることです。そして、「他のところに繋がらないか」全体を見渡して確認しましょう。

原因分析のチェックはまずは「疑ってかかる」ことから始まります。

末広がり  発散している

次は逆で、因果の構造図がロジックツリーのようにどんどん広がっているパターンです。
根本的な原因を探しているのに、それが全く収束しないのは、おかしな話です。

まずは事実確認をし、事実でないルートを消しましょう。
「どうしようもないもの」や「たまたまのもの」を消し込みます。さらに悪循環をまとめて据え置きにすると、かなり収束した図になるでしょう。

気球 突然収束する

これは私の現場ではよくあります。
私の現場では、なぜなぜの書き出しはみんなで頑張ってやるのだけれど、次に集まった時には会のリーダーがエイヤで原因を決めていて、何とも後味の悪いことになっています。

幅広く洗い出した全ての原因が、いきなり一つの根本原因にまとまることは考えづらいですね。
原因分析に疲れてしまい、最後にそれらしく一つにまとめたり、検討時間が足りなくなってエイヤと無理矢理まとめてしまったりします。

気球のような形の特徴は、因果の構造図の一番下の原因が抽象的で曖昧な表現になっていることです。曖昧な表現に対して手を打ってもピンポイントな対策にならず、効果が薄くなってしまいます。

最後まで飛躍がないよう、論理を考え抜くことが大切だと思います。

一段目と二段目の抜け漏れを重点的にチェック

「漏れなく幅広く可能性を考える」でも述べたが、抜け漏れのチェックは重要です。
なぜなぜ分析は問題から原因に向かって掘り下げていくため、一段目や二段目で見落としがあると、その下に繋がる原因を全て見落としてしまい、痛手が大きいです。
例えば、「売上」の問題の掘り下げなのに「販売数」しか考えていなければ、「単価」にまつわる原因をすっぽり見落としてしまいます。

早い段階で見落としがあると、全体の完成度に大きな影響が出るため、一段目、二段目は念入りに見直しをしましょう。

最後が打ち止めか確認

「打ち止めになるまで掘り下げる」ができているかチェックします。
最後の方は、もう先に進めないか、事実でないから消されたか、たまたまやっていないだけですぐ手を打てば良い話のいずれかになっているはずです。

本当にそれ以上掘り下げられないのか、少し置いてみてみると新たなアイディアが出て来るかもしれません。
更なる奥深い原因を見落としてしまうと、せっかく対策を講じても根本的な問題解決に繋がらない可能性があるので気をつけましょう

問題の固有原因か確認する

「正しい日本語で掘り下げる」ことと、「固有原因になっているか」の確認です。
全体に満遍なく聞くようなぼんやりした原因に手を打っても、元の問題について大きな効果が得られません。

なぜ他の場所には問題がないのに、絞り込んだ「そこだけ」が問題になるのか。

違いをしっかりと意識して、「固有原因」を考え抜くことこそが、真の問題解決に繋がります。


動画についてお詫び

実は、動画は長さの都合で、次のコラムの分もまとめて作ってしまいました。
この動画の文章が気になる方は次のコラムもご覧ください。

参考文献

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