ノラ子猫あずかり日記 1    (迷い猫がやってきた)

はじまりは、冬晴れの暖かい日だった。
昼食をすまして家から出かける時に、歩道に座っている1匹の子猫と目が合った。
「どこから来たんだろう」

我が家は、12歳を迎えた高齢ネコを2匹飼っている。
そのうちの1匹は、腎臓病の治療をしながらもう1年になるが、元気に暮らしている。
高齢病気持ちのネコがいるので、地域のノラ猫と接触して病気をもらわないように室内飼いをすることで、安全な暮らしが維持できている。

我が家の周囲は林になっていて、小動物が敷地内に入ってきて穴を掘ったりする事が多くあったので、家の周囲に小高い塀を囲って侵入防止の対策を試みた。

小動物は来なくなったが、ノラ猫になると中々大変で、塀をすり抜けないように、すき間を小さくしたり、さらに塀に跳び上がるので、笠木部分にカラス返しを取り付けて猫が嫌がる工夫を施した。

これが効いたのか、最近は周囲で猫を見かける事がほとんど無かったので、今回の子猫は少し気になった。

「初めて見る猫だなぁ家に来なければいいけど」
と、不安を抱えながら足早にその場を通り過ぎた。

しかし夕方、家にいる家族から送られて来た動画には、昼間見た子猫ともう1匹が、我が家の物置の中で走り周っている映像が写っていた。

なんと、不安が現実になってしまったのだ。

家の中には病気治療している高齢のネコが2匹もいる。
ノラ猫と病気のネコを、接触させてはいけないので、追い払う事に決めた。

物置の扉を開けて外に追い出してみたが、すぐに物置の中に戻ってくる。

何回追い出しても、すぐに戻って来るため、手に負えない。

どうやら床下に潜る事が出来て、すき間を伝って、這い上がってくるようだ。

日も暮れて、周りが暗くなって来た。

「エサを与えなければ何処かに行くだろう」

と考えて、一晩様子を見ることにした。

___ つづく ___

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papatomo
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