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子どもと演劇

もう、自分の人生は勝手に「自分は女優だ」と決まってしまったので、保育園に行っても「女優がやってきて保育やってます」的なスタンスになってしまいますすみません。

保育園で、最近「犯人だ!」とかいって閉じ込められる。

そのときに「なんで金を盗んだんだ!」って事情聴取されるので、真剣に?答えることにした。

今日は盗んでないバージョンで…

子A「なんで金を盗んだんだ!」
ぺ「僕は金なんて見たことないし、もちろん触ったこともない。なんで金を盗んだといって閉じ込められているかわからない!」
子A「証拠がある。ちゃんとカメラで撮ってあるんだ。みろ!(と、つみきをカメラにみたててみせる)」
ぺ「そんなつみきで見せられてもわからない。偽物じゃないか」
子A「そんなこと言って、金を盗んだことはわかってるのは確かなんだからな!!」
ぺ「僕は金を盗んでない!! 信じてください!!」
子A「わたしは金をこの人に全部盗まれたのに!!」
ぺ「…ぼくは小さいころ、お父さんとお母さんに、お小遣いをもらった。そのときは、銀のお金と、紙のお金だった。その頃、Aちゃんとよく遊んだ。そのあと、大きくなったけど、大きくなっても、金のお金は見たことがない。そのあと、Aちゃんはなぜかいなくなった。そして、せっかく久しぶりに会ったのに…、僕のことを金を盗んだって責めるなんて…!(泣)」
子A「……わたしはその頃警察に捕まってた。ペロちゃんとよく遊んでたのは覚えてる。楽しかった。あんなに一緒に遊んだのに、なんで私を助けてくれなかったの?」

Aちゃんの会話の間がマジでいい 笑
人の話をよく聞いて、ちゃんと会話できてるからだよなー

ぺ「だって、ペロは小さかったから、警察や牢屋があるということを知らなかった! いきなりある日、Aちゃんがいなくなって、さみしかった、私。」
子A「わたし、ペロちゃんが助けに来るの待ってた。でも、私がつかまる前、ペロちゃんとケンカして、ペロちゃんは私に『バカ!』って言った。だから、私はペロちゃんが私のことキライになったのかと思った」

この辺から、私は心の鳥肌が立ってしょうがなかった。
演劇を、自分のセラピーのために続ける人もいるよね、って今習ってる演出家の先生は言う。
ごっこだけど、あきらかにこの子の心のちょっと深いところに触れているヒリヒリ感があった。つまりは、セラピーとして機能している気が。
この子は、大好きなのに、裏切られ、今は失われたと思っている誰かのことを私を通じて話している…
保育園は、子どもも子どもの顔をする。大人は大人を演じる。子どもは子どもを演じる。それが日常だからこそ、深いところに安易に触れたくなかった(それが、夕方パートだからなおさら)
あー、安易に真剣にセリフとして話すんじゃなかった!! 逃げたい!!と3割4割くらい思いながらも、相当面白かったので、やめられなくなっていた。

ぺ「そんなことないよ! 私はいつだってAちゃんを探していたよ、待ってたよ。」
子A「でもペロちゃんはわたしに『バカ!』って言った。わたしはそれをずっと気になってた」
ぺ「それは……。ごめんなさい。そんなにつらい思いをしてたなんて…、でも、あれはちょっとしたケンカで、私は実はそんなにバカだなんて思ってなかったんだ…」

それからも話は続き、私はAちゃんがかつて入っていた牢屋に連れて行かれ、そこでどんな生活をしていたかを聞かされた。

そのあと、時間が来て、その子が明るい声になって
「またやろ!!」ってなったので、
楽しんでいただけてよかった…。

年齢じゃないな…、
なんというか、年齢じゃないな…
本人が言いたいセリフであれば、
全然年齢じゃなかった…、

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