【ホロライブオリ曲おすすめ紹介】第4回:不知火フレア/宝鐘マリン編

「VTuberの曲なんてオタクが聴くものだ」と言った偏見によって、せっかく良い音楽が聴かれないのは本当に勿体ない、騙されたと思ってぜひ一度聴いてみてほしい、という想いのもと、大好きなホロライブのオリジナル曲の中から私の推し曲を紹介するこちらのコーナー。

第4回目となる今回、前回はホロライブ2期生の楽曲を紹介しましたので、今回はその後輩、ホロライブ3期生の中から、コチラのお二方の楽曲を紹介したいと思います。

では早速スタートしていきましょう!


① 不知火フレア:アトリエ

不知火フレアの3周年記念LIVEで初めて披露されたこちら、作詞作曲は、LiSAやClariSと言った多くのアニソンアーティストに楽曲提供実績のある渡辺翔氏が担当。

アップテンポで疾走感のある爽やかな曲調ながらも、どこか少し切なさも感じられる綺麗なメロディが特徴的で、聴いているだけでも感情が溢れ出しそうな、終始エモさを感じさせてくれる楽曲となっています。

曲の流れや構成もとても秀逸で、初っ端から切なさを掻き立てるイントロのメロディ、穏やかなピアノのメロディから始まりつつも重厚なギターリフが途中で割り込むことで一気に盛り上がりを見せるAメロ、サビへの期待が高まるシンフォニックで壮大なBメロ、爽やかなバンドサウンドと切ないメロディが綺麗に交わる華やかなサビ、そしてメロディの裏で感情の起伏を表すが如く上下にうねり曲を支えるベースライン、と全体を通してメロディ自体がストーリーを奏でているからこそ滲み出るエモさがあるのだろうな…と、渡辺さんらしいセンスが光る見事な仕上がりだと感じました。

もちろん、この曲のエモさを語る上では歌詞への言及も欠かせません。

夢を追い思い切って外の世界に飛び出したものの、その先に待ち受けていた現実は想像以上に歩みが早くとてもじゃないが追いつけない。
それでも、それが例え茨の道でも、重い扉を開き未来への道を創るために突き進んでいこう、そしていつか、笑顔と思い出をたくさん掴んで”アトリエ”に戻って来よう。

このように、不知火フレアが経験した苦難や悩み、そしてそれでも前を向いて進んでいこう、と言う未来への想いが歌詞に織り込まれているのではないかと考えると、エルフレ(不知火フレアのファンネーム)ではない私でも思わず感情移入してしまい、この曲を聴く度に何とも胸が締め付けられるような感覚になりますから、これまでの歴史をよく知る古参のエルフレさんであればきっと涙なしでは聴けないの一曲ではないでしょうか。

切なくも力強い旋律と歌詞に、不知火フレアのまっすぐで透明感のある歌声が絶妙にマッチした、不知火フレアを代表する名曲だと私は思っています。

② 宝鐘マリン:Unison

宝鐘マリンと言えば、VTuber史上異例の速さで再生回数を伸ばした「美少女無罪♡パイレーツ」を始めとした、自身のキャラクターである明るくておふざけ感のある楽しい楽曲が有名/人気ですが、今回私が紹介するのはそれら楽曲とは全くタイプが異なり、無機質で機械的なサウンドが特徴のコチラ「Unison」

作詞作曲は音楽プロデューサー/トラックメーカーのYunomi氏が担当、彼の得意とするEDMサウンドをたっぷり盛り込んだこちらの楽曲は、いわゆるミニマルテクノと呼ばれるテクノミュージックの中でも反復を多用し大きな展開が少ないジャンルに分類されるのではないかと思います。

コード感ほぼゼロで起伏に乏しい展開が続くアイドル曲としては珍しい曲調に「何だこの曲は…?」と最初こそ難解さを感じたものの、聴けば聴くほど、淡々と続く4つ打ちサウンドに、宝鐘マリンの艶やかな歌声が魅せるミステリアスで表情豊かな歌メロや、韻を活用した流れるような歌詞が絶妙なバランスで絡み合っていくサイケデリックな感覚にどんどん惹き込まれていき、気がつけば「え…何これ…これめっちゃ良い曲じゃん…!」と、この曲にハマっていったことを今でも良く覚えています。

恐らくこの楽曲には中毒性のある要素が多く含まれていると思っており、例えば出だしのAメロでは、最初からガッツリと韻を踏むことで曲に独特なリズムをもたらしているのですが、韻を踏む際、ところどころ変則的にアクセントを入れ込むことで、宝鐘マリンの声質も相まって何とも言えない浮遊感というか心地良さが生まれているのだろうと思っています。

以下はAメロ冒頭の歌詞ですが、曲を聴くと太字部分が強調されているのが分かるかと思います。

硬(た)すぎのかな、ビン
あるい船首(せんしゅ)け柔いか
延命(えんめい)した赤(あか)インは延々(えんえん)、波の上

また、Aメロ終わりのコチラの歌詞、何となく切なさを感じさせるフレーズでありながらも、それとは対照的に激しさを増していく打ち込みトラックがとてもユニークで、ビートが最高潮に達するとともにサビに入っていくこの流れはいつ聴いても気持ちが昂ってしまう瞬間です。

プリーズ、ミスターサイレンス
ああ、どうして
ああ、どうして選べるのがきみしかいないんだ

そしてサビでは、宝鐘マリンが4つのパートを歌い分け、それらを重ねハモらせることによって生まれるハーモニーとリズムトラックとの掛け合いがこれまた秀逸ですが、このハモりもまた独創的で、主旋律を強調/補うように少しボリュームを下げてコーラスする一般的なハモりとは異なり、この曲の4つの音はどれが主旋律でもなく、すべての音が同じボリューム/バランスで収録されています。

これによって良い意味で捉えどころのない、でも4つの音全体で確かに一つのハーモニーを奏でている、と言う不思議な感覚を味わえるという点も、この曲の中毒性に繋がっているのではないかと思っています。

ちなみにこの4つの音によるハモりは、宝鐘マリンと同じホロライブに所属する「天音かなた」が一音ずつ聞き取り歌ったものを公開しているので、ハモりの違いが気になる方はとても参考になると思います。
(作業の合間なのに聴き分けできるかたなそも凄い…)

このように、一見すると淡白で実験的な要素を強く感じてしまいますが、曲を聴き込むことで見えてくるボーカルとトラックとの絶妙な親和性がこの曲の特徴であり良さではないかと思っています。

ぜひ何度も聴いて頂き、この曲の中毒性に魅了されてみてはいかがでしょうか。

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と言うことで今回はコチラの2曲を紹介させて頂きました。
マリン船長のUnisonはもっと考察すべき/したいポイントがあるのですがこれ以上書き出すと収集がつかなくなりそうでしたので…(汗)
また機会があればアップデートしていきたいと思います!

それでは、今回も最後までお付き合い頂きありがとうございましたm(_ _)m

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