【ホロライブオリ曲おすすめ紹介】第5回:天音かなた/常闇トワ編

「VTuberの曲なんてオタクが聴くものだ」と言った偏見によって、せっかく良い音楽が聴かれないのは本当に勿体ない、騙されたと思ってぜひ一度聴いてみてほしい、という想いのもと、大好きなホロライブのオリジナル曲の中から私の推し曲を紹介するこちらのコーナー。

第5回目となる今回、前回はホロライブ3期生の楽曲を紹介しましたので、今回はその次の世代、ホロライブ4期生の中から、コチラのお二方の楽曲を紹介したいと思います。


① 天音かなた:特者生存ワンダラダー!!

天音かなた初めてのオリ曲にして天音かなたのキャラクターや想いが詰まった、まさに彼女の原点とも言える一曲で、作詞作曲は田淵智也さんが担当

田淵さんと言えば、「オリオンをなぞる」「シュガーソングとビターステップ」と言ったアニメ主題歌も担当する人気バンド「UNISON SQUARE GARDEN」のベーシストで、上述した曲も含めバンド内の作詞作曲の殆どを手掛けるとともに、その類稀な音楽センスからLiSAや内田真礼、戸松遥など、アニソンを中心に多くの方々にも楽曲提供を行なっている日本を代表するトラックメーカーです。
(個人的にも田淵さんだけで一記事分は語れそうなくらいファンだったりします)

田淵さんの楽曲と言えば、聴いただけですぐ分かる”田淵さんらしさ”のある曲が多く、今回紹介する本楽曲も、BPM210オーバーのハイスピードで疾走感溢れるポップな曲調の中に田淵さんギミックがたっぷり詰まった楽しい一曲に仕上がっていると思っています。

例えば、曲全体を通して非常に展開が多く、一曲の中に色んな要素がギュッと詰め込まれている点です。

1番Aメロの擬音歌詞や2番Aメロで魅せる高速オタク台詞、ラスサビ終わりの叫び等、天音かなたのキャラクターや歌唱力のポテンシャルを存分に活かした遊び心溢れる構成がこの曲をより一層楽しい雰囲気にしてくれています。

特にオタク台詞の部分、可愛らしい語り口調だけでもキュンとくるのですが、その直後の「日々これ騒然でgo my way」に移行した途端、急に歌に戻ると言うか、優しいメロディラインとともに天音かなたの美声に一気に切り替わる感じのギャップが何とも心地良いんですよね…とても魅力的な部分だなぁと感じています。

更に、掛け声や合いの手を多用することで所謂”アニソン然”とした、より楽しく盛り上がれる楽曲に仕上がっている点も田淵さんらしさが溢れるポイントではないでしょうか。

個人的にはAメロの以下の部分、跳ねるメロディに合いの手が乗る感じがとても気持ち良くて思わずテンションが上がってしまいます。

適度にがんばろっか (そっか?)
そんなんだっていいけどさ
必死にがんばろっか (そうだ!)
それが僕らしいよな

また、田淵さんは独特な造語や難しい言葉を歌詞で使用することが多く、本楽曲でも「前進上等」「海空創造」「虎視眈々」のような造語や四字熟語が使われていますが、これらの言葉が程良く韻になっていたりもして曲のテンポの良さを助長してくれる存在になっているのは面白いですね。

ちなみに曲名の「特者生存」も造語だと思いますが、恐らく「適者生存」と言う言葉をもじっているのではないかと思います。
「適者生存」には、環境に最も適した者だけが生き残ることができる、と言う意味があり、「適→特」に変更している点や「ワンダラダー」に含まれる”wonder(好奇心)”を考慮すると、「何事にも好奇心を持って接することで誰よりも特別な存在としてこの世界生き抜いていくんだ」と言う、天音かなたの想いが込められたタイトルになっているのかもしれません。

もちろん歌詞にも天音かなたらしさがしっかりと詰まっており、基本的には天音かなたらしい元気で前向きな歌詞が中心ですが、以下に記載のCメロでは一転、実は強がっている、弱い自分がいることを吐露しつつも、それでも頑張っていきたいんだ、と言う熱い想いを高らかに宣言している部分は、へい民(天音かなたのファンネーム)ならずとも感動する瞬間ではないでしょうか。

ホントはbaby 自信なんかないよ
ホントはbaby 不安ばっかで泣きそうだ
でもねbaby 挫けないって決めたの
だからbaby 挑戦したいよ
未開の天地 無限のフィールドで!

そしてこの後に続くギターソロも本当にカッコ良いんですよね…そして落ちサビから一気にグッと盛り上がるラスサビの流れが堪らなく気持ち良い…何度聴いてもエモさを感じずにはいられません。

以上の通り、“天音かなたらしさ””田淵智也らしさ”が見事に融合した、遊び心満載の楽しくて素敵な一曲だと思っていますが、この「早くて」「高くて」「表現力が必要な」曲を見事に歌いこなす、天音かなたのポテンシャルも本当に半端ないなぁと感じています。

天音かなたの持つキュートでパワフルな歌声と、努力を惜しまない彼女のストイックさがあるからこそ実現できた、最高で最強の楽曲ではないでしょうか。


② 常闇トワ:Palette

「Palette」は常闇トワ初のオリジナル曲にして自ら作詞も担当した一曲。

デビューしてから感じた不安や葛藤を表現しつつも、それでも、何もないキャンバスを鮮やかな色で埋めていくように、前に向かって進んでいくんだ、と言う常闇トワ本人の想いが歌詞に込められた楽曲となっています。

特に以下のラスサビ、自分の弱さを受け入れて自分らしさを取り戻そうとする様を、自身の名前を歌詞に込めて表現しているくだりは堪らなく胸に突き刺さるポイントとなっており、常闇眷属(常闇トワのファンネーム)はもちろん、そうでない方も思わず涙してしまう瞬間ではないでしょうか。

強くなくてもいい、壊れかけでもいい
この心は永遠(トワ)に羽ばたいて
響くように塗り替えていく Palette

なお、作詞する際に言葉に込めた意味については、本楽曲のMV投稿日に配信された以下の歌枠の中で常闇トワ本人が語っておりますので、コチラを観てから聴くとより本楽曲の解像度が上がるかと思います。

また、本楽曲はボカロPのniki氏が作編曲を手掛けており、制作にあたって「エモーショナルな雰囲気の楽曲にしたい」と言う常闇トワの想いを見事に表現した、重厚感のあるバラード調の楽曲に仕上がっています。

ピアノの音色から始まり、厚みのあるギターや綺麗なストリングスが加わっていくドラマティックな展開は、まさにこの曲をよりエモーショナルなものに仕立て上げているのだろうと思っています。

日本らしい美しく綺麗なメロディでありながらも、ハードロックのバラードを思わせるヘビーなギターサウンドをベースとすることで、日本だけでなく世界にも通用する、とてもクオリティの高い楽曲ではないかと感じました。

そして何と言っても、本楽曲を歌唱している常闇トワの太くパワフルな歌声がこの曲の持つメッセージ性や曲調に見事にハマっている点がこれまた秀逸で、聴く人の感情に問いかけるような唯一無二の声質や歌唱力、表現力は、もはや”アイドル”という枠では括ることはできない、1人のアーティストとしての「常闇トワ」を垣間見ることができる重要な要素であり、その常闇トワのポテンシャルを存分に堪能できるのが、この「Palette」と言う楽曲なのではないでしょうか。

常闇トワほどバラードロックが似合うホロメンは他にはいない…そう思わせてくれるくらいには完成度の高い楽曲だと思っておりますので、ぜひ1人でも多くの方に聴いて頂きたいな、と思っています。きっとVtuberの概念が良い意味で覆されることでしょう。


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と言うことで今回はコチラの2曲を紹介させて頂きました。

4期生は個人的にはオススメ曲の多い世代で、今回紹介させて頂いたお二方だけでもオススメしたい楽曲はまだ色々とありますので、またの機会に紹介できればと思っております。

それでは、今回も最後までお付き合い頂きありがとうございましたm(_ _)m

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