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薄皮一枚

母を失ってから、家族を亡くした話にすごくシンパシーを感じるようになった。自分が体験しないと、本当の意味ではわからない、というのは真実なのだな、と実感した。


その一方で、自分と全く同じ状況、というのもないことを思い知った。それはつまり、もっと本当の意味で、人の死に方も生き方も、恋愛と同じで十人十色だってことだ。
この世に、わたしと同じくらいの年に母を失う人はゴマンといるだろう。だけど、全く同じように失った人はいない。闘病の末、事故で、事件で、自死で。母は比較的若い旅立ちだったが、もっと若くして逝く人だってもちろんいる。

人はいつか死ぬのだ。
わたしももちろん例外ではいられない。まだ実感はわかないけれど。でも誰にでも平等に訪れることはすごくピンとくる。

自分と自分以外の人を分け隔てているこの薄皮一枚。
同じだけど違う。違うけど同じ。
それをもっと感じ合って生きていけたら、もっと人に優しくなれるだろうか。

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