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ギリシャ神話にまつわるザクロの名前と四季の由来

ギリシャでは、ザクロがよく食されます。ちょうど今ザクロの季節で、ライキと呼ばれる市場で10月の下旬くらいから売られています。ギリシャは何でもキロ単位で売られるのですが、1キロで約1ユーロ70セントくらいです。(日本円にすると約200円ほど)そのユニークな形、ルビー色に光る実、その食感といい、個人的に果物の中で女王的な存在だと思っています。大好物で毎週市場で二キロほど買って食してます。甘みと程よい酸味があり本当に美味しいのです。こちらに来てから長年食べ続けてきいますが、果皮の色が薄いほど実は甘みを増し、果皮の色が濃いほど酸っぱさが増す様に思います。ザクロはそのまま食するのが主流ですが、サラダに入れたりもします。

ザクロ実

古代ギリシャでは、ザクロの果皮は皮なめしや薬として使っていたそうです。ギリシャ神話の美の女神アフロディーティが、キプロスではじめてザクロを植えたとも言われています。ザクロはギリシャ語でロディと言います。アフロディーティの名前の真ん中の「ロディ」から名付けられたそうです。

ザクロライキ

ザクロに関してはペルセフォニの神話がとても有名です。冥界の神様ハデスにその美しさゆえにさらわれたペルセフォニ。必死の思いで農業の女神である母ディミトラが娘を探し出し、ようやく母の元へ帰れることになったのですが、冥界でザクロの実を四粒食べたことが原因で、一年の内の4ヶ月間は、冥界で過ごさなければなりません。娘の不在の4ヶ月間を嘆き悲しんだ母ディミトラは、娘不在の間、すべての農作物を枯らせてしまう冬をもたらせました。強い愛情で結ばれた美しい母と娘の悲しいお話が四季の由来となりました。ザクロの季節になるといつもこのお話を思い出します。

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ギリシャ神話は古代の人々が疑問に思った身の回りの事象や現象に自分たちで答えを求めるように作られたとされています。ギリシャの小学生は、3年生になると教科として歴史の授業が始まるのですが、ギリシャ古代文明を学ぶ前に、必ずギリシャ神話を学びます。子供達は、神話の中の英雄ヘラクレスやイアーソンのお話しに夢中になるのです。ギリシャでは、ギリシャ神話も歴史の一部としてとらえられているということだと思います。長い長い年月を経てもギリシャ神話の数々のお話は色褪せることがありません。美しいお話だけではなく、残酷であったり理不尽であったりするところがより一層人々を魅了するのではないでしょうか。(Written by Yuki)

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