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本屋さんで「買いたい」と思った本はわりとがまんせずホイッと買っている私だが、どうしても買うのをためらうジャンルが2つある。

人は誰しも、「これにはお金を使いがち」というものがあると思う。たとえばドケチの人なら、食費にはお金を使いがちなのではなかろうか。

私の場合はそれは本とお酒で、「ほしい!」と思ったら金に糸目をつけず…とまではいかないけれども、これが服や食べものなら「高いから・いまの自分には必要ないからやめておこう」という判断をくだす程度の「ほしい!」度だったとしてもホイッと買ってしまう。いや、買うようにしている。自分はここで経済を回そうと思っている。
そうして、買ったはいいものの読んでいない本がどんどんと貯まる一方となっている。

今日も、昼から出かけてめちゃくちゃ眠いけど最近本屋さんで本買ってないからとりあえずなんか本買おう、と思って(この最近とは2週間くらいの間隔を指す)いま買いたい本を選定(タイトルや装丁が気になった本を手にとって、ランダムに5〜10ページくらい読む)してきた。そのときにやはり「う〜ん、君はとても面白そうだけど…う〜〜〜ん…しかし…本を買うことにいささかの矛盾を感じるジャンルだから……すいません! 見送らせてください! ごめん!(振り返らずにレジへ)」という1冊と出合ってしまって、どうにも、めちゃくちゃ興味あるけれど買えないジャンルの本って…いつ買えるんだろう(買えばいいんだけど)、となって帰ってきた。

その2つとは、
断捨離や片付けるためのコツについての本と
貯蓄(節約)や投資による資産形成の方法についての本。

だって、その本があることで家のなかのモノが1つ増えるし、
その本を買うお金を投資に回せば資産が増えるのでは!?

などとどうしても思ってしまい、手にとってレジまで持っていけない。


といっても1冊もこれらのジャンルの本を買ったことがないのかというとそうでもないし、たまにテレビのワイドショーなんかに出てくる「成功した投資家の人の家」のモニターの横に本棚があれば、投資本コーナーみたいになっている光景も何度も見ている。

ただ、とくに資産形成の本については結局のところ最大公約数的なこととしてはムダなものを買わずに、投資(貯金的な本の普通預金含む)に回しなさいと繰り返し説かれているばかりのような気がする。

そこからある程度外れていることが書かれているものを挙げるなら、チャートの見方などの実践ハウツー本や、あるいはもっと立ち戻ってそもそもの証券口座を開いて株を買うまでのやり方について丁寧に解説された本があてはまるだろうか。

だけど前者は理解力が追いつかなくて豚に真珠だし、後者はすでにスイスイできているのでかたるのはおこがましいがもののたとえとして釈迦に説法状態なので、どちらも「まあ、いまの私にはいらないかな」となってしまう。


片付けの本にも、ある程度のセオリー、つまり最大公約数的解答がある。
それは、ムダなものを減らして、必要なものだけを手に取りやすい場所にしまいましょうというものだ。

しかしムダなものってなんだよ!?
ムダなもの(・こと)があるから、人生って楽しいんじゃないの?
絶対全員が10着しか服持ってないわけないじゃん!

百歩譲って、必要なものを手に取りやすい場所にしまうとしよう。というかなんなら、部屋こそ汚いが必要なものはだいたい枕元に散らかっているのでだいたい即座に手に取ることができる。理路整然としたメソッドによる片付けが実践された家に住んでいる人より機能的なものの配置のなされた家に住んでいると思う。
なのでもう一方、釈然としないが誰しもが持っているらしいムダなものを減らすノウハウについて改めて注目するしかない。

ということで片付け本の異端児であるモノをある程度持っておきたい人のための片付け本に目を通してみたこともあるが、結局、持っておきたいモノのなかにじつは、「もしかしたらいらないかも…」的なものはありませんか? みたいな誘導尋問がはじまってしまっていたので、以来、片付け本は余程気になってもさらにそのなかで本当の本当に心からページを開いてみたいと思う本しかまず手に取らなくなった。


ムダなものを捨てないままに、片付いた家に住む方法…

すこし考えてみれば、素人にもわかる。

そう! 一定の資産を築いて、ムダなものがぜんぶすっきりと収納できる広い家に住むのだ!!
整理収納と資産形成は表裏一体なのである。
すくなくとも私にとっては。
そして、その道半ばにいる私の思ういま、ムダなものとは…

…というわけで、今日も私はほかの本をいくつか買うことを免罪符に「この本面白いな」と思った1冊を本屋さんに置いてきてしまったことをすこし後悔したのだった。

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